ぶっちぎりである。なにがというと、スシローの人気である。

過去記事でも続々と報じてきたとおり、「GoTo超スシロー」キャンペーンが大盛り上がりであったが、このたびgooランキングが「一番好きな回転ずしチェーン」を1100人超にアンケート。うち340票を獲得して「スシロー」が堂々の第1位に輝いた。


・2位以下のランキング

第2位は「無添くら寿司」(238票)。昨年「鬼滅の刃」コラボで大きく業績を伸ばしたことは記憶に新しいが、それだけではない。豊富な100円皿にこだわり、寿司メニュー数は業界ナンバーワンだという。

第3位は「はま寿司」(165票)だ。店舗によっては100円寿司を超える「平日1皿90円(税抜)」を実施していることはご存じのとおり。タッチパネルの音声や店内放送の「有名声優ナレーション」企画が定番だそう。

第4位以下は「かっぱ寿司」「がってん寿司」「回転寿しトリトン」「すし銚子丸」と続く。

上位を多く占めているのは、いずれも客席から厨房が見えない非対面型の店舗で、タッチパネル注文やセルフ会計で低価格化を実現した、いわゆる「100円寿司」の業態だろう。


・100円寿司は「イロモノ」だと思っていた

正直に告白すると、筆者はこれまで「寿司は対面派」だった。といっても「おまかせで」と大将に握ってもらうような高級店ではなく、カウンターの中に職人さんがいて、レーンも回すけれどオーダーもできる回転寿司店のこと。価格は100円寿司の1.5倍くらいの感覚だろうか。

話題の100円寿司も、新規開店すると話のタネに1度は行く。しかし2度目はなかった。


理由は簡単。豊富なメニューやタッチパネルはエンタメ性があっておもしろいが、満足できる寿司ではなかったからである。

たとえば、まだ半解凍のジャリッとするネタ、皿の上で横倒しになっても構わず流れてくる軍艦、出来合いのようなサイドメニューなど、値段相応のものしか出てこない。それが世の「100円寿司」に対する筆者のイメージだった。


ところが、である。


久しぶりに訪れたスシローのマグロが美味しかったのである。

もちろん当たり外れはある。前回美味しかったネタでも次にまた美味しいとは限らない。ネタがぽろりと落ちた握りがレーンを流れてくることもある。

しかし、「まぁ、いっか」と許せる旨さがある。そして会計マシンの前に立って、改めて安さにびっくりするのだ。そうなると非対面式のよさが、どんどんわかってくる。


・タッチパネルが最高

カウンター席に座ると1人1台のタッチパネルだ。同行者がいてもそれぞれ注文する。それでいて会計は合算できる。これ最高!

家族や友達同士でも、食べるスピードや順序は1人1人違う。無意識に値段のバランスを取ろうとすることもあるだろう。

しかし、自分だけのタッチパネルなら、隣がなにを頼んでいるかな、と気にする必要もなく自由にオーダーできる。あらかた食べたら、先にデザートにいっちゃっててもいい。

コロナ禍ゆえだが、カウンターは1人ずつアクリル板で仕切られ、より「個食」の雰囲気が強まっている。1人でも入店しやすく、自分のペースで食べて、さっと退店できる。これが心地いい。


・余計な気遣いがいらない

これまで通っていた店では、職人さんに声をかけるか、オーダーシートに記入して職人さんに渡すスタイルだった。混雑していると大声を出しても届かないことがあったし、忙しそうで気を遣うこともある。皿の受け渡しも人対人だ。

ときには職人同士の人間関係が垣間見えることもある。最悪だったのは、ある職人さんが顔見知りと思われる女性客に、こっそり無料で(皿を渡さず)握りを差し出しているのを目撃したとき。個人経営ならともかく大型店で、しかも他の客の前でそれは……。

もちろん顔を覚えてもらったり、温かいコミュニケーションもあるのだが、人づきあいのわずらわしさがなくなって初めて「これこそ自由!」と解放感を抱いた。なんだか対面式だと「疲れちゃう」と思うようになったのだ。


・豊富なメニュー

今回のスシローの首位獲得について、gooランキングでは「2017年からは “スシローcafe部” のブランドでさまざまなスイーツメニューも提供しており、幅広い世代から人気」と分析。

実際、各チェーンともスイーツ、麺類、サラダ、揚げ物とファミレスのようなメニューの充実ぶりだ。そしてそれが、なかなかに美味しい。

新メニューも次々出るので、寿司の気分でないときにはサイドメニューを楽しんで、コーヒー&スイーツで締めたりする。以前に比べ、寿司屋へ行く回数が格段に増えたのである。


・それに……暖かい

店舗によるだろうが、筆者に根強くあるのが「寿司屋は寒い」というイメージだ。対面式の店舗では、客の目の前に冷蔵ケースが並ぶ。カウンター内の床は、水洗いできるようにだろう、コンクリート敷きだ。いけすのような大型水槽がある店舗も珍しくない。


そしてなにより、寿司がレーンを何周もする従来型の回転寿司では、暖房が効きすぎるとネタが痛んでしまう。

それらが相まって、店が寒いのだ。ところが、厨房と客席が完全に分離されているスシローでは店舗がポカポカじゃないですか!


たまに外れもあるけれども、満足できるくらい美味しい。そして暖かい店舗で、人に気遣いせずタッチパネルで自由にオーダーして寿司やスイーツを食べられる。おまけに事前に受付や予約ができるアプリ&チェックイン機が超便利ときた。

かくして筆者はすっかり職人さんのいる回転寿司に行かなくなってしまったのである。これまで世話になっていたのにごめんなさい。誕生日とか、特別な日にはきっとまた行きます。

とりあえず、今週末は「GoTo超スシロー」ファイナルに行くためにアプリで予約済みである。


参考リンク:gooランキング
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.