松屋の歴代メニューにおいて、最強の名をほしいままにする『ごろごろ煮込みチキンカレー』。中には未だにごろチキ中毒から抜け出せず、禁断症状に苦しむ者もいることだろう。

そんなごろチキファンの声を聞いてだろうか? 松屋が新型ごろチキとも受けとれるメニューを、2019年7月16日の15時からひっそりと販売開始した。その名も『ごろごろチキンのバターチキンカレー』。

・いろいろと限定

名前が長いので勝手に「ごろチキB」と呼ばせていただく(「バターカレー」案は却下)ことにするが、こちらは何かと限定属性を有する一品となっている。どういうことか……?

まず、このメニューの情報は公式HPに非掲載。松屋HPにアクセスしても、ごろチキBの存在はどこにもない。公式Twitter限定の情報なのだ。さらに数量も限定とのこと。

しかし何よりヤバいのは、たったの69店舗でしか販売されないという点だろう。公式HPによると松屋は全国に958店舗もあるそうだが、そのうちごろチキBを扱うのは69店舗。



およそ7%という圧倒的レアメニューである。偶然近所の松屋で扱っていればラッキーだが、そうでない確率の方が圧倒的に高い。販売店舗についてはこのリンクを参照していただきたい。ちなみに値段は並盛が650円で、大盛は750円だ。

・チキンは健在

ではそろそろ肝心の味について述べよう。ごろチキBは伝説の元祖ごろチキと比べてどうなのか……? これに関しては、いい知らせと悪い知らせがある。

まずはいい知らせからいこう。チキンは健在! 元祖ごろチキ同様に、ゴロッとした圧倒的存在感を有するチキンは健在だ! ごろチキという銘に恥じないチキンパワーがある。



さらにもうひとつ。元祖ごろチキにおいて、絶妙なルーとチキンの一体感もまた大きな魅力だった。ごろチキBはその点においても問題は無い。ルーとチキンのマリアージュに隙は無い。

・辛くない

そして悪い知らせは……いや、人によっては朗報かもしれないのだが……ごろチキBは、辛くない。ごろチキの、アジアジでハフハフで、深みと複雑さを有するパワフルな辛さを、ごろチキBは受け継いでいない

辛くないどころか、めちゃくちゃマイルドである。素材のうまみとコクを感じるまろやかなカレーだ。ごろチキのチキンは魅力的だけど、辛(から)さが辛(つら)かったという方にとっては喜ばしいと思われる。



・質量かスパイシーさか

ゆえにごろチキBの評価は、元祖ごろチキファンの皆さんが、ごろチキのどの側面に重きを置いていたかによって変わってくるだろう。

チキンの質量こそ正義であるというチキンパワー派からすれば、ごろチキBはポストごろチキ足りえるはず。しかし、あの辛さこそ正義とする立場から見れば、ごろチキBは邪道……かもしれない。

個人的には、甲乙つけがたいというのが正直なところ。元祖ごろチキの辛さは実に魅力的だった。あれは病みつきになる。しかし、ちょっと内臓が疲れるというか、食べるとやや体力を持っていかれる感もあった。

それに対してごろチキBのまろやかなことよ。永遠に食べ続けられる気がするレベル。これはこれで実に魅力を感じるのだ。元気のある時には元祖ごろチキ。疲れているときにはごろチキBみたいな、そういう摂取スタイルを主張したい。

先に述べたとおり限定すぎて、そもそも提供が無い県すら存在するため、食べるまでのハードルは高い。元祖ごろチキの後継足りえるかは別にしても、ウマさは確かな一品だ。近くに販売店がある方は、是非食べてみることをお勧めする。

参照元:Twitter @matsuya_foods、松屋「ごろごろチキンのバターチキンカレー」対応店舗
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.

▼このスタイル、トマトカレーと同じヤツ