1日のスタートを切る儀式、「朝食」。……と言っておきながら、朝寝坊が大好きな筆者は、朝食をスキップしがち。仮に食べたとしてもバナナ1本とか、コンビニのおにぎりを頬張りながら出勤したり。ヒドイ時は職場のデスクで朝食をとったりすることもある。

当然、そんな朝食は全くもって美味しくない。朝食ぐらい、たまにはゆっくりと食べたいものだ……量はそんなに多くなくてもいい。美味しいものを少しずつじっくりと味わいながら、これから始まる1日に備えて静かな時間に身を置く──。

そんな優雅な朝を過ごすためにピッタリなお店があったので、私は珍しく早起きをして、東京は築地に向かった。しかし、まさか「優雅」どころか「絶望的」な朝を過ごすことになるとは……。

平日の朝8時過ぎ、眠たい目をこすって私がやってきたのは「築地本願寺」。国の重要文化財に指定されており、日本で初めてインドの古代仏教建築を模した寺院だそうだ。

言われてみると、確かにどことなくエキゾチックな雰囲気を漂わせている。快晴の空の下、この建築美を拝めただけでも早起きした甲斐があったと言えるだろう。実に清々しい気分で、心なしか空気も美味い。最高な朝をスタートさせているぞ~! ……今のところは。

それはそれとして、この「築地本願寺」に向かって左側にある建物に入ってみると、今回のお目当ての店「築地本願寺カフェ tsumugi」がある。

最近、各メディアでこぞって取り上げられており、そのおかげか、店内を見渡してみると朝から多くの客で賑わっている。ちなみに営業開始時間(8:00)の前には、建物の外に開店待ちの大行列ができることもあるそうだ。

その行列への対応策だろうか、店先の看板によると「朝食時間の利用は、先着110名様」に限定されているとのこと。さらに「事前に整理券を配布」しているそうだ。朝食に整理券とは……よほど人気がある証拠だ。期待に胸が膨らむ~! ……と、この時はまだウキウキだった。

・【8:33】整理券をもらう

さて、ここから先は、私が朝食を食べるまでの顛末(てんまつ)をドキュメント形式でお伝えする。まずは、8:30過ぎ、店先にある順番待ちの名簿に記帳をすると、店員さんから整理券を手渡される。「45番」だ。席が空くまで、しばし待つ。

・【8:38】 店内へ案内され、着席!

整理券をもらってからわずか5分後、店員さんから席へと案内された! 意外とすぐに食べられるかも? ちなみに私が案内されたカウンター席には、コンセントが設置されている嬉しいサービス。しかもWi-Fiも飛んでいるらしい。

・【8:40】 話題の「18品の朝ごはん」を注文

その数分後、店員さんが注文をとりにきたので、迷わず「18品の朝ごはん(税込 1944円)」をチョイスします。おかゆとみそ汁、小鉢に入った16種類のおかず=トータル18品が楽しめる朝食だ。コレがとにかく、ちまたで大人気らしいのだ! あ~お腹減ったぁ~……

・【8:49】 キターーー! と思ったら……

注文から10分、「失礼しま~す」という声とともに、店員さんが再びやってきた! 俺の「18品の朝ごはん」キターーー? と思ったら、朝食についてくる緑茶だった。

なんだお茶か……まぁ一口飲んでみるか。おおっ、上品な茶葉の香りがふわぁっと口に広がる! 結構なおてまえです。が、当方、結構な空腹でもあります。料理が運ばれてくるまでの間、気を紛らわすためにここ数日で公開されたロケットニュースの記事を読み返す。

・【9:00】 待ちメシ来ず

着席してから20分あまり、注文した朝食はまだ来ない。ヒマなので、窓越しの築地本願寺をスマホで撮ったりして時間を潰す。それにしても、お腹がもうペッコペコでやんす……。

・【9:10】 待ちメシいまだ来ず

着席してからついに、30分が経過。繰り返す、30分待っています。さすがにそろそろ配膳されていい頃だが……。ここで、私の脳裏に “ある疑惑” が浮上した。


 

── コレ、もしかして、忘れられてるんじゃね?


 

い、いや。もうすぐ来るはずだ。お腹が空きすぎて、私も少しせっかちになっているのかもしれない。もうちょっとだけ待ってみることにする。しかし、ただ待っているのも時間がもったいない。ちょうど、このあと10時から近くで仕事の打ち合わせをする予定だ。せっかくなので、今のうちに打ち合わせする内容をもう一度頭の中で整理しておこう。

・【9:20】 待ちメシは多分こねぇなコレ

着席から40分…………40分だよ、40分!? みなさん、注文した品が来ない場合、どのタイミングで店員さんに確認を入れます? 「注文してから30分」がひとつの目安だろうが、もうその時間はとうに過ぎ、40分も待っている。俺の注文、ほぼ確実に忘れられているな、ハハハ……。

空腹をまぎらわすために、目を開けたまま心を「無」にする。そのまま瞑想状態に入り、体中の細胞や内臓器官をスリープモードに切り替えようと試みる──が、そんな機能、私の体には搭載されていなかった。飢餓状態の胃袋が「グゥゥ~~」と抗議の鳴き声をあげる。

・【9:25】 餓死寸前 トラウマがフラッシュバック

45分経ってもこないよ、俺の「18品の朝ごはん」!! 完っ全に注文を忘れられているな! こちとら、餓死寸前なんだが……というか、このままでは10時から予定している打ち合わせに遅刻してしまう!

……なんかもう、怒りを通り越して悲しくなってきた。せっかく早起きをして優雅な朝を過ごそうと思ったのに……。

俺って、昔からこういうところあるんだよなぁ。友達とファミレスに行くと俺の注文だけ通ってなかったり、コンビニで弁当を買うと箸とかフォークを忘れられたり……。きっと私は神にも仏にも見捨てれた存在なんだろう……。

もう、さすがに我慢の限界だ。店側にやんわりとクレームを入れて帰ろう。食べたかったなぁ、「18品の朝ごはん」……と、名残惜しくメニューを改めて見てみると、 “ある文字” が飛び込んできた!

『18品の朝ごはん』の由来
築地本願寺のご本尊である阿弥陀さまは、すべての生きとし生けるものをすくうために48の誓願をたてられました。その中心となるのが「あなたを決して見捨てない」と願い誓われた「第18願」です。『18品の朝ごはん』を通じて、仏さまの願いを味わいましょう。

あなたを決して見捨てない──そうか、そうなのか! 俺は見捨てられていないんだな……! じゃあもう少しだけ待とう! あと5分だけ待って、それでも来なかったらブチ切れて、サタニスト(悪魔主義者)になろう! ──と思った、そのときである!


 

キターーーーーーーーーーーーーーー!!

・【9:27】 メシ「ゴッメ~ン、遅れちゃった✰」

着席してから、約50分! 店に着いてからの時間を換算すると、なんやかんやで1時間待ち! 待ったよ~~(泣)

後で店員さんに聞いた話だと、開店前から並ぶお客が多い場合、料理を提供するのが遅くなってしまうことがあると申し訳なさそうに詫びていた。土日祝日や近くでイベントがある日だと、待ち時間はさらに読めなくなるという。まさに諸行無常。

しかし、ラーメン屋などの行列に1時間並ぶのは耐えられるのに、店内の席で1時間待たされるのがこれほどまでにツライとは……新たなパラドックスを発見したのかもしれない。

それにしても、本当に待ちくたびれた~!! コレが「18品の朝ごはん」かぁ~~!! 先にも述べたが、文字通り「おかゆ」+「 みそ汁」+「16品のおかず」が小鉢に盛られている。この日のおかずは「タコの塩麹和え」「鴨の山椒焼き」と、

「南高梅梅干」「湯葉いくら」「つきぢ松露の卵焼き」「揚げ茄子大豆そぼろ」。

「築地紀文のお魚とうふおぼろ揚」「じゃこ味噌」。

「出汁トマト」「築地江戸一 甘口昆布の佃煮」「里芋田楽」「豆腐の柚子あん」。

そして、「オレンジ」「抹茶ゼリー」「季節の副菜」「海苔明太」である。

どれもこれも美味しそうなのだが、私の胃袋が真っ先に欲したもの、それは────


 

「おかゆ」じゃーーい! 『空腹は最大の調味料』と言うが、極限までに腹を空かせて食べるおかゆは、最 & 高! 五臓六腑にしみる~! 

この真っ白いおかゆの上で「梅干し」と「昆布の佃煮」、「海苔明太」……これ以上、何が必要と言うのか? もうコレで充分じゃないか。

いや、おかずも食べたいわ。ということで全て完食。18通りの味わいをゆっくり、じっくりと楽しむ────コレだ、私が求めていた上質で優雅な朝食時間は。

つい数分前までは、日本有数の寺の前で仏の存在を否定し、悪魔に魂を売ることも頭によぎったが、今や胃袋は幸福で満たされ、まさに極楽浄土に昇天した気分。「1時間も待った? フッ、そんなこと、もうどうだっていいじゃないか……」悟りの境地へ一歩進んだ私は、絶品の朝食を食べながら、心の中でそう唱えるのであった。

・この記事をまとめまぁ~っす!

・築地本願寺カフェの「18品の朝ごはん」は美味しい
・餓死寸前で食べると更に美味しい
・1時間ぐらい待つ場合もある
・打ち合わせには遅刻した

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 築地本願寺カフェ tsumugi
住所 東京都東京都中央区築地3-15-1 築地本願寺インフォメーション棟
時間 8:00~21:00
休日 年中無休

Report:ショーン
Photo:RocketNews24.