「コーテルイーナーホー」と聞いて、「あ、餃子一人前持ち帰りのオーダー入ったな」とすぐに分かる王将フリークには説明不要だろうが、“王将好き” とひと口で言っても、“餃子の王将派” と “大阪王将派” の二大派閥がある。

「どちらがより上か」と言い出すと、派閥の過激派から刺される恐れがあるのでここでは割愛するが、とにかく「王将 = 美味しい中華料理」というイメージを両者が持っていることは確かだろう。

しかし最近、大阪王将の運営会社イートアンドが、全く中華ではないバリバリ和食の店を始めたらしい。それは、天ぷら。王将が天ぷら!? いや、大阪王将の店舗で天ぷらを食べられるわけではないのだが、これは気になる……! ということで、実際に店で天ぷらを食べてきたので写真とともにレポートしたい。

・場所は赤坂

そのお店「築地てんぷら 天金(てんかね)」は、東京・赤坂にある。メトロの赤坂駅からほど近く、場所も分かりやすい。店構えはどこからどう見ても天ぷら店であり、当然と言えば当然だが王将の面影は微塵もない。

あまりにも王将っぽくないため、私(筆者)は店員さんに「こちらって大阪王将の会社が運営しているお店なんですか?」と聞くと「そうですよ」との答え。やはり……。見た目では全く分からないが、ここだったのだ。

・天ぷら定食1000円〜

そのままカウンターの席に着きメニューを見れば、終日オーダーできるセットものが充実している。『天ぷら定食』(1000円)、『穴子天ぷら定食』(1200円)、『海老づくし定食』(1500円)のほか、『穴子天丼定食』(1200円)、『海老天丼定食』(1500円)。もちろん、『天丼』(1000円)もある。

全体的に大阪王将のセットものより、ちょい高めの価格設定のようだ。その中から、私は『穴子天ぷら定食』をオーダー。天ぷら6品にごはん・汁物が付くセットである。

・ごはん、味噌汁がおかわり自由で卓上の塩辛なども食べ放題

そして注文後、私が卓上にふと目を向けたときに気になる言葉を発見した。「卓上の塩辛・漬物はご自由にお召し上がり下さい」

──マジか! おまけに塩昆布や鰹節も食べ放題で、ごはんと味噌汁はおかわり自由。つまり、定食をオーダーすれば、お腹が一杯になるまで塩辛などで何杯もごはんを食べられるのだ。これはうれしい!

・実際に食べてみた

さて、肝心の料理だが、一気に全ての天ぷらが出てくるのではなく、揚がったものから提供される仕組みのようだ。さっそく海老の天ぷらを食べてみると……ひと言で言うと、家庭で出されるような王道的な天ぷら。

確かに、銀座にあるような高級天ぷら店に比べれば味は劣るかもしれないが、1200円の定食であることを考えれば十分に満足できるレベル。中でも特に印象的だったのは穴子の半身で、とにかくデカい! マジのマジでデカい!

全体的に、「比較的安めの価格設定にして、お客さんにお腹いっぱいになって帰ってもらおう」という、どこか王将にも通じるスピリッツを感じたお店であった。

手頃な価格で美味しい天ぷらを楽しみたい人にはおすすめである。お店の近くに行く機会があったら、一度訪れてみてはいかがだろうか。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 築地てんぷら 天金
住所 東京都港区赤坂3丁目13番4号
時間 11:00~23:30(L.O. 22:30)
休日 日曜日

Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼天ぷら6品にご飯と汁物が付く『穴子天ぷら定食』。写真の天ぷらは一部

▼エビ

▼舞茸

▼ししとう

▼かきあげ

▼黒穴子煎餅

▼そして穴子!

▼とにかくデカい! 1200円の定食の天ぷらとは思えないサイズだ