国道9号線。京都市から山陰地方を経由して山口県下関市に至る “日本で3番目に長い” 一般道だ。先日、島根県に行った際にそんな9号線をひたすら車で走っていたのだが、休憩がてら立ち寄ったのが島根県江津(ごうつ)市のドライブステーション「舞乃市」だった。
江津市は山陰地方の中で最も人数が少なく、県内で最も面積が狭い & 東京からの移動時間距離が全国で1番遠い市なのだとか。日本海に面した静かな町という印象だったが……軽い気持ちで注文した「オロチ丼」の迫力があまりにもえげつなかったので報告しておきたい。
・やっと見つけたオアシス
道の駅に到着したのは18時頃。夕飯にはチョイ早いが……ここで食べておかないと少々不安だ。日本海沿いに果てしなく伸びる9号線上は、もう21時くらいの雰囲気。やっと見つけた「舞乃市」をスルーしてしまったら、次のチャンスがいつになるか分からない。
──ということで、隣接している道の駅「サンピコごうつ」で地元土産をチェックしてから「舞乃市」内の大黒食堂へ。完全に、マジで完全に油断していた。高速道路のサービスエリア的な感覚でフラ~ッと立ち寄り、サクッと食べて出発するつもりだったが……数分後に絶句することになる。
・大黒食堂
あまり悩まずに、ご当地グルメ「オロチ丼」を注文。島根県の石見(いわみ)地方といえば伝統芸能「石見神楽(かぐら)」が有名だが、神楽をテーマにした “神楽めし” の1つがオロチ丼らしい。「大蛇(おろち)」は、石見神楽の代名詞的演目とのこと。ヤマタノオロチの “オロチ” だ。
オロチ丼が出来上がるまでの間、ヤマタノオロチについて調べてみる。ほほう、8つの頭に8つの尾を持つ超巨大な怪物なんですね……え、大丈夫? と思ったその時。
「オロチ丼お待たせしました~」
…………
待て待て待て。
そんなにお腹空いてないです。
・ヤマタノオロチをイメージ
想像の倍以上のデカさだった。スタッフさん曰く「8枚のカツでヤマタノオロチをイメージしています」「糸切り唐辛子はオロチの炎です」らしい。わかりましたデカいですね。さすがオロチ、神話レベルのスケールである。マジかよ。
ただ、食べてみると、サクッと揚がったジューシーな豚カツがなかなか美味い。地元産「まる姫ポーク」のロース肉を使用したソースカツだ。かわいい名前の由来は “大切に育てられたお姫様と、丸々とふくよかに太ったイメージ” とのこと。
それにしてもボリュームが鬼だ。見た目よりも軽い食感なのはありがたいが、あまりにもヤマタノオロチである。定番のソースで始まり、ピリ辛のタレやタルタルソースで味を変えながらガブッ、ガブッと食べ続ける……うむ、たしかに美味いが、腹がはち切れそうです。
・スサノオノミコト気分で
食後の運転は眠くなるから注意が必要。まさか、たまたま立ち寄った道の駅で腹がパンパンになるとは……とにかく、インパクト抜群の「オロチ丼」は覚えておく価値アリと言えるだろう。注文する機会があれば、スサノオノミコト気分でぜひ完食を目指してみてほしい。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 大黒食堂
住所 島根県江津市後地町3348-113 ドライブステーション舞乃市
時間 11:00~15:00 / 17:00~21:00
休日 不定休
参考リンク:大黒食堂(神楽の里 舞乃市)
Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
▼道の駅「サンピコごうつ」を発見
▼神楽の里 舞乃市
▼大黒食堂でちょっと休憩することに決めた
▼オロチ丼がデカ過ぎて衝撃でした