数年前、埼玉県の西部エリアで家探しをしている時に、不動産屋さんから「ここはデカ盛りの聖地と言われています」と教えてもらった。へ〜そうなんですね、と答えると「本当に驚くと思いますよ!」と止まらない。なるほど、そんなに言うなら本当にヤバそうだ。

たしかに不動産屋はタクシー運転手のように地元に詳しいはず。ましてや聞いてもいないのに教えてくれるなんて観光地レベルに有名なのでは……お店の名前は『古都』。西武池袋線の入間市駅から約2キロ離れた場所にある定食屋だ。忘れられないので行ってみた。

・デカ盛りの聖地

勝手な想像だが「デカ盛り」という言葉を聞いてテンションが上がるのは30代半ばまでではなかろうか。40代の記者にとって「デカ盛り」はただの恐怖である。それでも行こうと思ったのは、不動産屋さんのプッシュがえげつなかったから。

満席だったので外で10分ほど待ってから入店。店内はかなり活気があった……この活気だけで人気店だということが分かる。メニューを確認すると、うどん・そばだけで約40種類、丼・定食が約30種類、さらに平日限定メニューや週替わりサービス品などめちゃめちゃ豊富。

悩んだ末に「お得そうだから」という理由で、週替わりサービス品の「肩ロースしょうが焼きとさばの塩焼き定食(1150円)」を注文したら……まずサービスの小鉢がやってきた。日替わりの副菜だろうか。嬉しいサービスだと、この時は思っていた。


続いて、大迫力のしょうが焼き定食が登場。


ご飯のボリュームが見事に『まんが日本昔ばなし』である。運ばれてきた瞬間から「おしりを出した子1等賞〜♪」が脳内再生されるとは……さすが聖地

迫力に圧倒されていると「俺のこと忘れてないかい?」とでも言わんばかりに「さばの塩焼き」もやってきた……すっかり忘れていた。

ノーマークの伏兵も主役級のオーラを放っている。ご飯、しょうが焼き、さばの塩焼き、味噌汁、うどん、その他副菜と選手層の厚さがハンパではないぞ。

んで、もちろんどれもうまい。しょうが焼きもさばの塩焼きもしっかり濃いめの味付け。

生姜とにんにくの刺激でご飯が進むし、さばは脂の旨味と柔らかい塩味がご飯を美味しくするのだ。ギリギリいけそうなボリュームだからつい頑張ってしまう……なんか無理をしたくなる美味しさなのだ

その後どうにかゴールが見えてきたところで、店員さんから「おかわりもありますので!」と伝えられた……が、光のスピードで「大丈夫です」と断った。無理なのだ、絶対に。とっくにもう限界を超えている。サービスの烏龍茶だけいただいた。

しかし今度は「バームクーヘンも食べてください」と店員さん……どうしてもトドメを刺したいらしい。

死の淵をさまよいながらも……なんとか完食したのだが、これがいわゆる「普通盛り」だから恐ろしい。つまり大盛りも特盛りもあるってこと。

ドラゴンボールで言えば、ラディッツをギリギリ倒したのに、さらに強いナッパもベジータもいるというあの恐怖と同じだろう。え、合ってますよね?

ただし同店では「最初は普通盛り」をお願いしているそうだ。大盛りを頼んでシェアするのはナシ。特盛りは大盛りを完食したことがある人だけが注文できるルール。逆に「ミニメニュー」もあるので、大食い自慢じゃなくても楽しめるだろう。ちなみにお会計後には……

またご縁がありますように」と5円玉をいただいた。なんというか、最初から最後までサービス精神の塊のようなお店でした。お腹も心も大満足。もっと早く来るべきだったな〜。


・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

名称古都
住所:埼玉県入間市宮前町12-11
時間:平日11:30〜14:30 / 18:30〜21:00(土日祝は変則的なので公式サイトを確認してください)
休日:月曜夜・火曜・木曜夜(祝日を除く)・年始

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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