見れば必ず笑顔になれて、それでいて涙もこぼれちゃうのがピクサー作品だ。『トイ・ストーリーシリーズ』『ファインディング・ニモ』『カールじいさんの空飛ぶ家』などなど……それぞれ全く違った面白さを持ちながらも、共通したあたたかさが感じられる。

この度、ピクサーが発表した短編動画『Smash and Grab(スマッシュ・アンド・グラブ)』もそうだ。ロボットの友情が描かれた作品で、ピクサーらしいユーモア&切なさにあふれている。英語などの会話はないので、誰でも楽しむことができるぞ!

・自由を持たない2体のロボットが……

どこか遠い世界を走る、列車の中。外の光がほんの少ししか射し込まない薄暗い車内で、2体のロボットが作業を行っている。大きいロボットは巨大な鉱物を細かく砕き、小さいロボットはそれらを回収してはある場所に放り込む。

黙々と働いていた2体だが、突然ゲームを始める。小さなロボットは不器用で、なかなかうまくいかない。それでも諦めずに続けていると……やった! 成功した!! ロボットたちは嬉しそうにハイタッチをしようとするが、体につけられた管に引っ張られて倒れてしまう。

そう、それぞれのボディには天井から伸びた管がついていて、ロボットたちの動きが制限されているのだ。この管がエネルギーを補給しながらも、同時に、自由を奪っているようにも見える。

がっかりするロボットたち。その時、大きいロボットが、窓の外に自分たちよりも進化したロボットたちがいることに気づく。彼らのボディには管がついていない。エネルギーはどうしているんだろう……とジッと見つめていると「あること」に気づく。なら、自分たちだって……? 2体のロボットは、自由を求めて外へ飛び出していく。

・「ピクサー最高傑作」なんて声も

ここから先は動画を確認してほしいが、2体のロボットのお互いを思い合い、大切にしあう姿に心を動かされることは間違いない。

「ウォーリーに続いて、またピクサーのロボットものに泣いちゃった」「素晴らしかった! ピクサーの最高傑作だと思う」「ぜひ長編で見たい」といったコメントが寄せられている。なかには「なんだか皮肉だった。高給取りの一部のトップ&薄給のアニメーターたちの世界を描いているみたいな気がした」なんて声も。

今回の短編動画は、ピクサーが新たな才能を発掘するプログラム「SparkShorts(スパーク・ショーツ)」にて公開された一作だ。もう一度言うが、外国語が登場することもないので誰でも楽しめる。再生時間は8分ちょっと。ぜひご覧あれ、だ。

参照元:YouTubePixar / SparkShorts(英語)
執筆:小千谷サチ