このところ、ゆるやかに、私の体型はだらしない感じになりつつある。そりゃそうだ。ろくに運動もせず、ランチ時には中華の弁当を食べ続け、夜はお菓子をポリポリしてたら、そりゃ筋肉は落ちてデブに向かうのは当然のこと。

もちろん「どうにかせねば」とは思っていたので、100均でトレーニング器具を発見するや即ゲット。しかし……イマイチ使い方がわからない〜! だから全然、使ってない〜!! ということで、その道のプロに使い方を聞いてみた!!

今回の企画に全力で協力してくれたのは、今から2年ほど前、「1カ月間メシをモリモリ食ってガチで筋トレ」なる肉体改造実験に付き合ってくれたプライベートジム『世田谷フィジコ』だ。今回もよろしくおねがいします!

そして今回の100均トレーニング器具は、ダイソーで購入した「プッシュアップバー」である。腕立て伏せの時に使うアレだ。ちなみに価格は400円。

ダイソーの中では高価だけど、一般的なプッシュアップバーと比べたら安価な方だと思われる。一見フツーの形をしているが、横から見ると、握るところが斜めになっている。はたしてコレ、ちゃんと使えるんでしょうか……?

ブツをじっくり眺めながら、筋肉モリモリのプロトレーナー「こうぞうコーチ」は、涼しい顔でこう言った。


ぜんぜん使えますよ〜


たとえトレーニング器具がなくとも重力を器具にして筋トレするコーチにとっては、100円だろうが400円だろうが何でも筋トレに使えてしまう可能性も捨てきれないが、プロの目から見ても確かに使えるモノではあるという。


さらに!


正しい使い方をすれば、より使える(効く)という。なんならジムに行く必要がなくなっちゃうくらい効くという……。ジムの人が言うのだから間違いない。ということで、さっそく教えて下さい、こうぞうコーチ!


・基本形は「ハの字」

こうぞうコーチによると、まず、ダイソーのプッシュアップバーならではの「握るところが斜め」の部分は、低いほうを自分に向ける。そして……

タテでもなく、真ヨコでもなく、あえて「ハの字」になるように置くのが良いという。この置き方のほうが胸筋に効くらしい。そしてアゴをひいて、体はまっすぐ。胸を意識しながら、ゆっくりと……グググッ↓……っと下ろして……

10回くらい……が基本とのこと。


また、もしもキツくてキツくて腕立てができないよォ〜という場合は、膝をついても良いという。これなら非力な私でも、女性でも安心である。ただし、膝をついても体はまっすぐ。そして、ゆっくりと、グググッ↓……らしい。

また、気になる回数だが、よく言われる基本となるのは「10回3セット」であるという。しかしトレーニングし始めだったりキツかったりする場合は、それ以下でも大丈夫とのこと。回数よりも「確実に胸に効かせられているか」が重要とのことなので、ゆっくり、ふかーく、確実に、腕立てしよう。

ためしに私も10回やってみたが……

めちゃくちゃキツイ〜〜〜!!


・応用編その1「Ⅱの字」

こうぞうコーチいわく、「角度を変えると奥深いトレーニングができるようになる」とのことで、その可能性は無限大であるという。ということで、さきほどは「ハの字」だったが、今度は縦方向の「Ⅱの字」である。

体勢としては「前ならえ」的な感じで、腕を曲げるのも横ではなく縦方向。脇を締めながら腕立てするイメージだ。

この「Ⅱの字」腕立てで鍛えられるのは、よく女性が「腕の下のほうがタルタルに〜(泣)」と悩むポイントの「上腕三頭筋」。もちろん胸にも効くので、バストアップ効果も期待できる。「ハの字」に飽きたら「Ⅱの字」に挑戦だ。


・応用編その2「ボールを使って胸でキス」

ただでさえキツいのに、こうぞうコーチは「ボールを使いましょう」と言い出した。

プッシュアップバーの真ん中にボールを置き(ころがらないように)、胸でこのボールを優しくタッチしながら腕立てすると効くらしい。

ちなみにこの優しくタッチの感覚だが、こうぞうコーチいわく「ボールを使って胸で優しくキスような感じ」でやると良いとのこと。言葉ではロマンチックだが、ボールタッチが加わっただけで相当キツい腕立てになる。地獄だ。

また、もちろんこの「ボールタッチ腕立て」がキツすぎたら、先述のように「膝つき」で行っても良いとのこと。それでもキツいけど、がんばって!!


・応用編その3「間隔を狭くしちゃう」

すでにもうヘトヘトなのだが、さらにコーチは新技を伝授してくれた。それが「狭くしちゃう」だ。プッシュアップバーを横に並べて置いて腕立てをすることにより、胸の真ん中(谷間)あたりの筋肉が鍛えられるのだという。

真横でも良いし、基本編と同じ「斜め」でも良い。とにかくプッシュアップバーの間隔を狭くする。また、この腕立ての場合は、そこまで深く下げる必要はないという。

大切なのは、「腕を押し切って胸の谷間の筋肉を意識する」らしい。


──実はまだまだレパートリーがあるらしいのだが(←無限かよ!)、キリがないので今回はこのへんで。また、最後にこうぞうコーチは、「トレーニングの頻度は週に1回以上、継続する事が大事です。手首や肘などに痛みがある時は無理をせずに運動を中止しよう!」とも言っていた。

それにしても、さすがはプロのトレーナーだ。100円ショップの商品ひとつで、ここまで楽しんでしまうとは……!!

協力:隠れ家プライベートジム「世田谷フィジコ」
Report:100均評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.