生きろ、そなたは美しい。はあ……アシタカさんマジイケメン。そんなイケメンが本日2018年10月26日、地上波に登場する。そう、金曜ロードショーで『もののけ姫』が放送されるのだ。

名作と名高い本作だが、私(中澤)にはどうしても気になることがある。それは「シシ神様って結局何なの?」ということ。そこで、プロレスマニアに聞いてみたところ衝撃の事実が判明した

・シシ神様とは

古(いにしえ)のもののけたちが今も生きる「シシ神の森」。そこで「神」と崇められているのがシシ神様だ。命を与えることも奪うこともできるシシ神様。乙事主(おっことぬし)の命を奪い、一方で、アシタカの命を救うなど、もののけにも人間にも極めて平等な存在として描かれている。

そんなシシ神様を、もののけたちは「神」と崇め、人間は「死神」と呼び、アシタカは「命そのもの」という結論を出す。結局ヤツは何者なのか

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シシ神さま #もののけ姫 #princessmononoke

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・プロレスマニアに聞いてみた

1人で考えても分からなかったため、編集長のGO羽鳥(プロレスマニア)と先輩記者P.K.サンジュン(プロレスマニア)に聞いてみた。シシ神様って何者なんですかね?

GO羽鳥「リック・フレアーだ」

──えっ! リック・フレアーって誰ですか?

P.K.サンジュン「リック・フレアーとは1970年代から約40年間に渡り活躍した伝説のプロレスラーのことです。相手を光らせる名人中の名人で、おそらく業界内でもっとも尊敬されているプロレスラーでしょう。フレアーに影響を受けなかったレスラーはいないと言っても過言ではありません」

──リック・フレアーについては分かりました。でも、そのレスラーとシシ神様にどういった関係が?

GO羽鳥「シシ神様の外見をよく見てみろ!」

──人面鹿ですね。

GO羽鳥「そう、鹿だ。なのにシシ神様の体毛は白い! さらには、首の下なんてそんな白い毛がふわふわしていていかにも触り心地が良さそうなファーが生い茂っている。こんなの完全にリック・フレアーだろコラ!」

──ちょっと混乱してきました。なぜ、それがリック・フレアーなんですか?

P.K.サンジュン「リック・フレアーは入場時にふわふわの白いファーのようなもの首に巻いて登場するんです。髪の色も白金。シシ神様の顔色も試合中に赤みがかったリック・フレアーの顔色を彷彿とさせますし、デイダラボッチの歩き方なんて完全にフレアー・ウォークです

GO羽鳥「さらに言うと、リック・フレアーと戦った者は、ほとんどがビッグなプロレスラーになっていった。これは言いかえれば、レスラーとしての命を与えられたと言っても過言ではない」

P.K.サンジュン「対戦相手を引き立たせる受けの名手リック・フレアーは、『ホウキ相手でもプロレスができる』と言われるほどの名勝負請負人でした。プロレス界における神の1人と言えるでしょうね」

──なるほど。盛り上がってきましたね。

GO羽鳥「そう考えると、自ずと『もののけ姫』で宮崎駿監督が本当に描きたかったことも見えてくる」

──と、言いますと?

GO羽鳥「まず、リック・フレアーが所属しているということはシシ神の森のもののけたちはNWA。それと対になるたたら場はWWFということになるだろう」

P.K.サンジュン「NWAは、WCWという団体に移行していきます。そして、当初、WCWに所属していたリック・フレアーはWWFに電撃移籍しました。『もののけ姫』で描かれている “もののけ時代の過渡期” や “シシ神様の奪い合い” の構図と酷似していますね。この符合は見逃せない

GO羽鳥「サンは当時、WCWで若手として台頭してきたスティングだろうな。エボシはWWFの中心選手ハルク・ホーガン。そうなると、アシタカは同時期にWWFからWCWを渡り歩くレイザー・ラモンのことと推察できる。つまるところ『もののけ姫』で描かれているのは……」

GO羽鳥・P.K.サンジュン「90年代初頭のアメリカンプロレス黄金期!」

GO羽鳥・P.K.サンジュン「その絵を描いている宮崎駿監督はアメリカンプロレスの黒幕ビンス・マクマホンDA!!」

──な、なんだってェェェエエエ!? シシ神様がリック・フレアーであるだけではなく、宮崎駿監督がビンス・マクマホンだったなんて……! だがしかし、その共通点の多さには説得力がなくもない。

後半ほとんど何言ってるか分からなかったが、宮崎駿監督がアメリカンプロレス好きなことだけはビンビンに伝わってきた。今後もロケットニュース24編集部では、ジブリ作品に隠された謎を追い続けていきたい。

執筆・イラスト:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

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