今回、私(あひるねこ)が筆を執ったのは他でもない。先日私が受けた想像を絶するような辱め、そして、それを実行した男を告発するためである。当サイトで執筆するようになってから約3年、あそこまでの苦痛を味わったのはこれが初めてだ。
一体、私はどんな目に遭ったのか? それはこれからじっくりと語っていくとして、先に申し上げておく。この記事に面白要素は一切ない。純然たる告発である。そのことを踏まえた上で、以下を読み進めていただきたい。
・どうしてこうなった
数週間前、私は超音波によってワインを熟成できる『Sonic Decanter(ソニック・デキャンタ)』というマシンを使い、コーラを熟成させたらどうなるのか? という記事を書いたのだが、その際、記事内にコーラを飲む様子を収めた動画を入れようという話になった。
そこで登場するのが、当編集部の田代だ。田代は動画の編集に長けており、その技術で常に我々をサポートしてくれている。彼ならきっとこの記事にピッタリの動画を作ってくれるはず。しかし、このあと田代は、頑張る方向を大きく間違えることになる。
・狂い始めた歯車
当初私が想像していたのは、通常のコーラと熟成したコーラを飲み比べ、その様子をテレビ番組のようにポップに編集した動画だ。ところが、どうやら田代の頭にはそんな画は一切なかったようで、私に向かってこんなことを言ってきた。
「あひるねこさんには YouTuber になってもらって、『あひるしゃちょー』として動画に出てもらいます! コーラを飲んで、いろいろとリアクションをしてもらいますね!!」
……。
一体この男は何を言っているのか。え? あひるしゃちょーって何? YouTuber ってどういうこと? 繰り返す。一体この男は何を言っているのか。
・地獄絵図
その後、田代から「動画でやってもらうネタ」が一覧で送られてきたのだが……とりあえず、以下に書き出してみたのでご覧いただきたい。
「(悟空っぽく)このコーラ、シュワシュワすっぞ!」
「激ウマコーラ、フォーーッ!」
「ウマッシュ・バンディク~! ウマッシュ・バンディク~!!」
「熟成コーラ、おいしいよ♪ それワカチコ、ワカチコー♪」
「一体いつから私が無感情だと錯覚していた?」
「ゲッツ! シーユーネクスタイム!!」
地獄である。掛け値なしの地獄である。それは、私を恐怖のどん底に突き落とすのに十分な破壊力を持っていた。何なのだ、この一周回っても面白くない微妙なネタの数々は。あの男は私に死ねと言っているのか? いや、こんなことをさせられるくらいなら死んだ方がマシである。
しかし、田代は私を見ながら「編集は任せてください!」と目をキラキラと輝かせている。くっ、やるしかないのか……。こうして、胃に鉛のような鈍痛を覚えながら、撮影当日を迎えたのだった。
・責任の所在
結果的に、私は上記のネタをすべてやり切った。命をすり減らしてやり切った。そして、田代の演出もまた容赦がなかった。「今の最高によかったです! でも、まだまだいける!」「もう1回やったら絶対もっとよくなりますよ!」など、私をスベらせることに一切の妥協がない。
2時間にも及んだ撮影の結果は、動画『【あひるしゃちょー】超音波でコーラを熟成させてみた』をご覧いただきたいが、これだけはハッキリ言っておく。私はただ田代の指示に忠実に従っただけである。どうかこの点をご理解いただき、その上で動画をご覧いただけると幸いだ。
・残酷な結末
また、参考までにお伝えしておくと、YouTube でこの動画が公開されたのが2018年6月11日。そして、公開から2週間経った時点での再生回数はわずか493回である……。いや、爆死しとるやないか!
7件の高評価に対し、低評価が28件もついているのが地味にキツイ。「若干スベったな」「ごめんやけどナンセンス」というコメントから分かるとおり、サラリと軽快にスベっているのもまた地獄みが強いとしか言いようがないだろう。というか、笑っているのは編集部の佐藤とサンジュンくらいである。
・鬼畜の所業
公開から2週間以上が経過した現在も、私はこの動画をまともに直視することができない。身体が全力で視聴を拒むのである。そう、紛うことなき黒歴史だ。死ぬほどスベらされた挙句、YouTube に公開される……こんな非道な仕打ちが、果たして許されていいのか!?
たしかに、田代の編集は相変わらず冴え渡っている。だがどうしてだろう。あれ以来、田代を見ると冷や汗が出るのは……。問題の動画を見るかどうかは、あなたの自由である。しかし、できることならどうか見ないでほしい。再生回数が増えるたび、私の心は確実に削られていくのだから。
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
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