誰が呼んだか、ディズニーマニア。ディズニーをこよなく愛し、なんなら本籍地を東京ディズニーランドにしてしまった男が当編集部にいる。そう、彼こそが “ディズニーマニア” こと、田代大一朗(年齢不詳)だ。

彼はディズニーの全てを愛しているため、テーマパークやキャラクターはもちろんのこと、ディズニー映画も大好物である。そんな田代と2人で、2019年2月1日に公開される『メリー・ポピンズ リターンズ』の試写会に出かけたところ……大変ヤバいことになったのでお知らせしたい。

・名作の続編

1964年公開、ディズニー映画史に残る不朽の名作と言えば「メリー・ポピンズ」だ。当時、アニメと実写映画を合成した画期的な手法は高い評価を受け、同年のアカデミー賞では13部門でノミネート、5部門で受賞を果たしている。

54年ぶりとなる本作は、前作「メリー・ポピンズ」の25年後を描いた物語。実は、私(P.K.サンジュン)はメリー・ポピンズが大好きで、幼い頃に友達の家で死ぬほどメリー・ポピンズのビデオを観ていた。内容はハッキリ覚えていないが、子供なりに感じるものがあったのだろう。今でもメリー・ポピンズが傘で舞い降りるシーンだけは、脳裏に焼き付いている。

そんなこともあり、元々『メリー・ポピンズ リターンズ』の試写会に行く予定だったのだが、ディズニーマニア田代に声をかけてみると……。


「え! メリー・ポピンズですか!! ぜひぜひ! 僕はメリー・ポピンズが大好きなんですよ。なんと言っても音楽が素晴らしいですよね! 僕はツラいことがあると、あの魔法の呪文を唱えるんです☆ スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス♪ ってね!」


予想通りと言えば予想通りのリアクションであったが、ごくごく自然に「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」が出るあたりはさすがだ。というわけで、田代と2人で『メリー・ポピンズ リターンズ』の試写会に足を運ぶことにした。

・ディズニーマニアの動向を見守る

そして試写会当日──。鑑賞するのはもちろん我々だけではなく、多くの関係者がいる。上映中にコソコソ話すわけにもいかないので、私は横目で田代を観察しながら『メリー・ポピンズ リターンズ』を鑑賞した。


どこで泣くんだ──?


何回泣くんだ──?


どれくらいの強度で泣くんだ──?


……そんな思いで田代を観察していたところ、子供たちが歌うシーンでッ!!


俺が泣いていた。


ダメだ、40を超えて涙腺がバカになってやがる。しかも田代のことは観察していたものの、やはり試写室は暗いため表情がよくわからない。仕方ないので上映後に、田代に感想を求めることにした。

「どうでしたか? 田代さん」

「……」

「あれ? 田代さん?」

「自分……」

「はい?」

「自分、スタンディングオベーションしたい欲求を抑えるのに必死でした! 本当はスタンディングオベーションしたかった!! でもそれやったら迷惑になるじゃないですか!? あー、本当に素晴らしかったですよ、メリー・ポピンズ リターンズは!」

「あ、あ、はい。でも確かに良かったですね。なんと言っても主演のエミリー・ブラントがメリー・ポピンズになりきっていましたからね。あの知的でクールな感じはハマリ役でしたわ」

「ですよね! いやー、プレッシャーもすごかったと思うんですけど見事でしたね!! 表情、声のトーン、たたずまい、どれをとっても完全にメリー・ポピンズでした! ストーリーと演出も素晴らしくて、少なくとも3回は泣いちゃいましたよ!!」

「僕は一応、この前メリー・ポピンズを観てきたんですけど、予習しておいて良かったですね。前作を観ないとわからない小ネタが随所に散りばめられていましたし」

「サンジュンさんはアレに気付きましたか? ▼☆※×◎△▼☆※×◎△▼☆※×◎△……(ネタバレになるため自粛)」

「ええええーーーーーーーー!」

「あと、▼☆※×◎△▼☆※×◎△▼☆※×◎△……」

「えええーーーーー!! よく1回でそんなに気付きましたね! 俺、完全に見逃してましたわ。さすがディズニーマニア」

「小ネタも豊富ですし、前向きなところが本当に “ディズニーの王道” って感じがして良かったです。そして劇中の “大人は明日になれば忘れてしまう” ってセリフが印象的でした……。信じる心を持っている純粋な子どもたちは、メリー・ポピンズがいると信じられる。でも大人たちは……」

「たしかにそうですねぇ」

「……ハ! そうだ!! 急いで事務所に帰って、みんなにも伝えてあげましょう! 僕も大人だから明日になったら忘れてしまうかもしれない!! それそれ急げ急げ!」

・ディズニーマニア、暴走

そう言いつつ、事務所にダッシュする田代。何やらイヤな予感がするが、ここはおとなしく田代を追いかけることにした。そして、編集部の全員に語り掛ける田代──。


「聞いてもらっていいですか……?」


「みなさんの周りにもメリー・ポピンズがいるかもしれませんよ☆」


スーーーーーーーン


スーーーーーーーン


スススーーーーーーーン


編集部のメンバーは、ただただ「なんのこっちゃ」的な顔をしていたことはさておき、ディズニーマニアの熱いメッセージの真意に、いつかメンバーたちが気付くことを願いたい。そう、メリー・ポピンズはあなたの周りにもいるかもしれないのだ──。

とにもかくにも、ディズニーマニアはもちろんのこと『メリー・ポピンズ リターンズ』は41歳のおっさんでも十分に楽しめたから、興味がある人はぜひ劇場へ出かけて欲しい。その際、前作の「メリー・ポピンズ」を観ておくと、さらに本作が楽しめることだろう。映画『メリー・ポピンズ リターンズ』は2月1日公開だ。

参考リンク:メリー・ポピンズ公式サイト
Report:P.K.サンジュン
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