好きな人は大好きだけど、嫌いな人はかなり無理。「パクチー」とはまさにそういう食材ではないか。私(あひるねこ)はと言うと完全に後者側の人間で、食べられないことはないが、できれば食べずに生きていきたいと思っている。

対照に、私の隣に座っている記者・サンジュンはパクチーが大好物。これまで様々なパクチー記事を書いてきた自称 “黒帯パクチニスト” だ。今回は、パクチー嫌いな私がサンジュンから受けた非道極まりない仕打ちについて告発したい。

・よみがえる記憶

本題に入る前に、まずはつい先日公開された『ペヤング パクチーレモンやきそば』の記事について触れておく必要があるだろう。その内容は、サンジュンがパクチー味のペヤング新味を私に食べさせるというものである。

詳細については本文をご覧いただきたいが、注目は記事に寄せられた読者からのコメントだ。以下に引用する。


「あひるねこさん、過去のパクチー爆盛りの記事で普通に食べてるみたいだけど嫌いだったの?」


このコメントを読んで、私は数年前に起きたある事件を思い出した。あの日、私は “パクチニスト” サンジュンからとんでもない仕打ちを受けたのである。順を追って説明しよう。


・パクチー大食い事件

2016年5月12日に公開された「【爆盛り】パクチー2kg、総重量6.5kgの前人未踏メニュー『ダイナマイトラーメン』を食べてみた! 東京・中野「カオカオカオ」」という記事。これを書いたのは、実は私なのだ。


内容は、パクチーが2kgも入った化物のようなラーメンを、私とサンジュンを含む4名で食べ尽くすというもの。そう、パクチー嫌いの私にとって、控えめに言っても地獄のような企画である。だが、そもそもなぜ私がメンバーに入っているのか?

察しのいい読者諸君ならもうお気付きだろう。実は裏で糸を引いていたのが、このサンジュンという男なのである。

・鬼畜の所業

大食い企画の当日。まだ外部ライターだった私の元に、社内チャットワークを通じてサンジュンから連絡があった。


「今日の18時半くらいから中野で時間ある? 4人で挑戦するダイナマイトラーメンってのがあるんだよね」


……あなたは気付いただろうか? この文章の恐ろしさに。そう、サンジュンはパクチーのことに一切触れず、ただラーメンとしか説明しなかったのである。なんたる外道ッ! なんたる邪悪ッ!! どう考えてもその情報はマストだろうがァァァァァアアア!

普通のラーメンを想像した私はこれを快諾。記事の執筆も任せてもらうことになった。これから嫌いなパクチーを死ぬほど食わされるとも知らずに……。言っとくけど私は、料理の上にかかった少量のパクチーでさえよけて食う男だぞ。

その後、あまりに膨大なパクチーを前に我々はギブアップすることになるのだが、私の場合、一口目の時点ですでに限界であったことをここにハッキリ記しておきたい。

・外道ここに極まれり

当のサンジュンはこの件に関し、「まさかパクチーが嫌いだとは思わなかった」と供述。しかし、私の記憶ではその数日前、パクチーが嫌いという話を確かにしたはずだ。我々の主張は、今なお平行線を辿っている……。

が、先述のパクチーペヤング記事において、サンジュンによる以下のような記載があったことは明らかにしておくべきだろう。


「今回はあえて あひるねこに同商品を食べさせてみることにした。なぜなら私はシンプルに性格が悪いからである──。


・許されない

サンジュンに悪意があったのか、それともなかったのか……。真相はいまだ不明だが、私はこれが故意によるものだったと確信している。パクチー・ハラスメント、略して “パクハラ” とでも呼ぶべき、許されざる悪行であることは間違いないだろう。決して風化させてはならないという思いから、この記事を書いた。

執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.