今では日本の一大文化となったアニメ産業。ゲーム化やマンガ化、実写化など、大々的なメディアミックスが行われる例も少なくない。関係者が多いだけに、1つボタンを掛け違えると取返しのつかないことに発展するケースも

2017年、『けものフレンズ』の監督降板騒動は記憶に新しいが、先日、アニメ化が大きく話題となった『ブギーポップは笑わない』が早くも炎上している。発表直後なのに監督降板ってマジかよ!?

・ライトノベルに革命を起こした『ブギーポップ』

順を追って説明しよう。まず、本作のアニメ化が発表されたのは2018年3月10日だ。日常の裏で進行する不可思議な出来事をクールに語るミステリー要素を含んだ本作。当時のライトノベルの流れを変えたと言っても過言ではない作品だ。

『化物語』シリーズの西尾維新さんも影響を公言しているし、『キノの旅』の作者・時雨沢恵一さんも「本屋で『ブギーポップは笑わない』を手に取ったのが応募するキッカケ」と語っている。

当時、中学生で受験シーズンだった私(中澤)も、1作目の『ブギーポップは笑わない』を何度読み返したかわからない。霧の中を手探りで進むような何人もの主人公たちのエピソードが、最終的に1枚の絵のように結びつく本作は、当時の心境にピッタリだった。

・原作イラストレーターがブチギレ

そんな伝説的作品のアニメ化なので、Twitterでもトレンド入りを果たすなど大きな話題に。しかし、このアニメ化にブチギレたのが、原作のイラストを担当する緒方剛志さん。ブギーポップのニュースを引用し、以下のようなコメントをTwitterに投稿した。

「てめー誰だ。一回も見たこともない。家にコピー紙一枚、JPEG一枚来たこともない絵が公式とか言ってて笑う。笑わないのに。こんなこと言ったら監督は辞めるんだってさ。めんどくせぇ」

──ブ・チ・ギ・レ。まさか、緒方剛志さんに許可なしのアニメ化だったとは。確かに、HPを見てみると、緒方剛志さんは「原作イラスト」と書かれており、キャラクターデザインは別の人になっている。

また、緒方剛志さんは続け様に以下のような投稿を連発。

「クソムカついてんだよ」
「仕事は仕事。なんか言われたら仕事やめるとかくりえいたーすぎてウケる」
「アニメ化はどうなるかはわかりませんが。僕はまぁスッキリしました。以上」
「本当に怒ってる。雑なアイツら」

──などなど、ガチで激怒している様子がうかがえる。原作ファンである私も、『ブギーポップ』と言えば緒方剛志さんのイラストなだけに無許可だったことには衝撃を受けた。

緒方さんのツイートでは「監督は辞める」とのことだが、本当に監督が降板する場合、アニメ化が一気に暗礁に乗り上げるかもしれない。ちなみに、HPでは2018年アニメ化とされているがはたして? 思い入れのある人が多い作品だけに、どうせアニメ化するならちゃんと作ってもらいたいが……。

参照元:ブギーポップは笑わない、Twitter @ogata_kouji
執筆:中澤星児

▼原作イラストレーターがブチギレで監督降板か……?