作画崩壊、棒読み、アクロバティックすぎる展開、そこはかとなく漂う茶番感……雨後のタケノコのように生まれてくるクソアニメ。個人的には、2017年秋はクソアニメがとても豊作なクールである。

そこで、ネットで「クソアニメ」という声をまとめてみたところ、4つの作品がズバ抜けていることが判明した。ある意味、今期を制しているクソアニメ四天王を以下にご紹介したい。

・神クソアニメ

ひと言で「クソアニメ」と言っても色々あるが、決してディスの声ばかりではないのが重要なところ。クソアニメの中には、見ているうちにそのすっとこどっこいっぷりにある種の恍惚(こうこつ)感を感じ、それなしでは生きられなくなるアニメが存在する。

一部で「神クソアニメ」と呼ばれ、愛されている作品たち。クソアニメハンターたちは、日夜そういった作品との出会いを求めてクソアニメと向き合っているのだ。

そんなハンターたちの間で今期大きな話題となっているのが、『DYNAMIC CHORD(ダイナミックコード)』と『王様ゲーム』の2作品。癖になるような独特の空気感で多くの患者を生み出しており、ニコニコ動画などのコメントも盛況だ。

・出資者ブチギレのクソアニメ

その2つに続くのが『Dies irae(ディエス・イレ)』。この作品は、10年前にヒットしたPCゲームで、クラウドファンディングにより約1億円を集めて作成。しかし、あまりの意味不明さから、出資者の1人と思われる人物がTwitterでブチギレ。「新規の人はアニメは見ないでくれ」とつぶやくなど、批判が多い状況だ。

・四天王最後の1作

そして、四天王最後の1つは、あのアイドルアニメ。まずは、その作品についてのネットの声を以下にご紹介したい。

「たぶんだけど今WUG新章を見てるのはクソアニメ好きか義務感で見てるワグナーだけだよ」
「クソアニメでも話題になれば毎週ツイートが流れてくるのにWUGの話してる人全然見ないよ 完全に笑えないクソアニメ」
「新章始まる直前に知り合いの弟が旧章みてどハマりしてあいちゃん推しになって新章を見初めて4話までみた感想が『クソアニメになった』」
「WUG新章5話みました。さすがにアニメになってない」
「WUG新章第5話、視聴完了。正直、コメントするに値すらしないデキ」
「WUG新章何が悔しいって中の人や公式のやる気に製作側が追いついてない事だよな」
「WUG新章、まるで紙芝居を見ているようだ…」

──そう、「WUG」ことアイドルの裏側まで描いたアニメ『Wake Up, Girls!』だ。1期で原案・監督を務めた山本寛(やまもと ゆたか)監督の降板により波乱の船出となった本作。旧作のファンからも、「クソアニメ」認定され始めているようだ。

なお、降板騒動の後、山本寛さんは「アニメを狂気から解放するために仲間が集まる場所」とする団体『日本フィルアニマチオン(フィルアニメ)』を立ち上げ、クリエイターの権利について発信を続けている。

いかがだっただろうか。ひと言で「クソアニメ」と言っても、様々な形があることをご理解いただけたかと思う。ファンの間では名作よりも熱い話になるクソアニメ。あなたもクソアニメの荒野を旅してみないか。

執筆:クソアニメハンター・中澤星児
イラスト:中澤星児

▼「DYNAMIC CHORD(ダイナミックコード)」

▼「王様ゲーム」

▼「Dies irae」

▼「Wake Up, Girls!」

▼塗り絵もあるぞ!