答えにくい質問をしたとき、その人の本性や真実が垣間見える。そんな話をよく聞く。この手法は、面接やディベートで使われることもあるが、言われた方はたまったもんじゃないだろう。

さて、先日ある企業のCEOがマスコミに耳の痛~い質問をされたそう。誰もが「あ~確かに」と思っちゃうような問いだったのだが、その切り返しが素晴らしいとネットで称賛されているのだ。

・マスコミがスマホメーカーにツッコミ

「Androidスマホを作っているのに、従業員はiPhoneユーザーなんですね」

マスコミからそんな質問を受けたのは「中国のジョブス」こと家電メーカー『Xiaomi(シャオミ)』のCEO雷軍(らい・ぐん)氏だ。

2011年、シャオミはスマホ「Mi シリーズ」を発表。低価格でありながら、iPhoneやサムスンのGalaxyに匹敵するスペックが評判となり、2013~14年頃には中華スマホ界でブッチギリで話題となっていた。日本のガジェット通の間でも、コスパ優秀と評価されているスマートフォンである。

なのだが! 従業員に多くiPhoneユーザーがいるというのだ。「自社製品を使わない従業員がいる、それをどう考えているのか」いや、そんなことを言われても……という質問だが、答え方によっては会社のダメージになる問題だろう。さて、雷軍氏がどう答えたかというと……

・CEOはこう答えた!

「今のところ、iPhoneが世界最高のスマホと認めざるをえませんね。弊社は従業員の自由を制限することはありません。

たとえシャオミがiPhoneを越えたとしても、従業員にシャオミの使用を強制したりはしませんよ」

・ネットユーザーから賞賛の声

当然と言えば、当然の話だ。しかし、世の中には自社製品の使用や購入を強制、もしくは暗に強要するという企業が多いなか、キッパリとこう答えた。しかも競合の良さをしっかりと認めたうえでだ。

この潔い回答にネットユーザーは

「カッコよすぎる!」
「兄貴と呼びたい」
「誠実な回答だなぁ」
「強制しないというのもいい、そして他社の実力を素直に認めるというのも素晴らしい」
「他社製品の良さを理解してこそ、自社製品も改善されるよね」
「ライバルとの差を認めて初めて進歩できるんだよ」

などと称賛の声が集まっている。

また孫子の兵法から「彼を知り己を知れば、百戦して危うからず」つまり「敵軍と自軍を熟知していれば、100回戦っても負ける心配はない」という格言を引き合いに出す声も挙がっている。やはり大企業のトップとなると視野が広いものなのだなぁ!

・復活を狙うシャオミ

雷軍氏の発言で、シャオミの好感度は爆上がりの様相ではあるが、中国国内のシェアはかつての勢いを失っている。2015年頃からファーウェイ、OPPO、VIVOなどの中華スマホメーカーの追い上げにより、No.1どころかベスト3からも転落しているという。

そんなシャオミは、2018年に発売予定のフラッグシップモデル「Mi Mix2S」と「Mi7」で復活をはかる目論見だ。一方、Appleはすでに一強ではなくなったとはいえ、ハイエンドでもミドルエンドモデルでも根強い人気がある。シャオミにとって目標にするところが大きいのかもしれない。

参照元:新浪新聞、SinaWeibo @小米手机
執筆:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

▼3月27日発表予定のフラッグシップモデル「Mi Mix2S」は、はやくも「中華版 iPhoneX」という異名をとっているそう。はたしてシャオミの復活はなるのか?