今回、私はLINEを使って事態を乗り切ったわけだが、もしかしたら他に最善の方法があったのかもしれない。しかし、この時の私は正常な精神状態ではなかったので、その点をご理解いただけると幸いだ。

・カード会社に連絡

さて、私はまずカード会社のホームページで、紛失した場合どこに連絡をしたらいいのかを調べてみた。もちろん会社によって微妙な違いはあるだろうが、大体の内容は以下の通りである。

・24時間対応しているので、直接電話をしてほしい
・番号は国ごとに分かれている
・携帯からかける場合、別途海外使用料が請求されることがある

・ハードルが高い

なるほど。だが、ここでさらなる問題が起きる。中国用の番号が書かれていないのだ。なんと、中国などの一部の国からかける場合は、現地ホテルのフロント、または電話局のオペレーターを通してしか連絡できないという。いちいち難易度高いな。そんなんスラスラできたら、さっきから苦労してないぜよ。それに料金も不明だ。

一刻も早くカードを止めて安心したい。でも高額請求は怖い。なんとかならないかと調べているうちに、我々はLINEを利用するという選択肢に気付いた。あれ? これイケるんじゃないか?

・LINEを使い日本に電話

正確に書くと、利用するのはLINEの機能「LINE out」だ。これは、広告を見ると国内外への通話が最大5分間無料になるというサービスである。通常、LINEを利用している人同士なら無料で通話することができるのは周知の事実だが、「LINE out」なら固定電話へもかけることができる。

・クレジットを購入

最大5分間無料と書いたが、5分以上通話する場合や、一部の国から電話をかける場合は「コールクレジット」と呼ばれるプリペイド式のクレジットの購入が必要だ。実際に購入画面に進んでみると、240クレジットを240円で買うことができた。

・長時間の通話が可能

LINEのホームページによると、中国からの通話の場合、かかる料金は1分あたり1クレジット。つまり、240円払えば240分も通話することができるのである! それだけあれば十分だろう。さっそく購入し、カード会社に電話してみることに。

ナビダイヤルやフリーダイヤルには繋がらないものの、東京23区の市外局番である「03」で始まる番号には……か、かかったァァァァアアア! 受話器の向こうから日本人のオペレーターの声が聞こえてくるではないか。もしもし! もしもし! 頼む、私のカードを今すぐ止めてくれェェェェェェエエエエ!!

・解決

結局、40クレジットほど消費して無事にカードを止めることに成功したのだった。カードの再発行に1カ月近くかかってしまうらしいが、手数料はかからなかったので実質240円で解決したことになる。高額請求にビクビクしながら残りの時間を過ごすことを考えれば、これで済んでよかったと心から思う。

・備えは必要

言葉が分からない国で想定外の事態にぶち当たる。それはとてつもなく恐ろしいことだ。実際、海外のATMでカードが飲み込まれた経験がある人は多いようなので、いつあなたもそうなるか分からないぞ。だが、もし同じ状況に陥ってパニックになった時は、どうかこの記事のことを思い出してほしい。大丈夫、私みたいに何とかなる!


最後に、ATMで助けてくれたおばちゃんとマダムにもう一度感謝を。2人とも日本語はおろか、英語だってほぼ話せなかったものの、それでも自分の携帯を使って電話をかけてくれ、我々に長い時間付き合ってくれた。アクシデント中は最悪な気分だったが、実は素晴らしい経験をしたのではないかと、今にして思う。

参考リンク:LINE
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼「LINE out」は、広告を見ると国内外への通話が最大5分間無料になる

▼5分以上通話する場合や、一部の国から通話する場合は「コールクレジット」と呼ばれるプリペイド式のクレジットの購入が必要

▼右下の「設定」をタップすると……

▼購入が可能

▼240クレジットを240円で買うことができた