いま世界は一丸となって地球の「温暖化」と戦っているが、私は昔から全力で生え際の後退化と戦っている。おかげさまで「そんなにハゲてないですよぉ」なんて言われたりもするが、実は内心ほくそ笑んでいる。当然だっ……。たゆまぬ努力と創意工夫の賜物なのだから……!! と。だが、ごくたまに……いや、頻繁に「穴」も生じる。

オゾンホールならぬ、オデコホールだ。俗に言う「ベジータハゲ」を髪の毛で隠すことから生じる、地肌まる見えのノーガード状態。自分では気づかないゆえ、戦闘力0(ゼロ)……っ。しかし、そんなピンチを未然に防ぐ必勝アイテムを100円ショップで発見した。ヘアエクステ……通称「エクステ」というらしい。これはイイかも!!

・勇者の髪

女性ならご存知の商品かもしれないが、男性にとっては馴染みのない存在、それがエクステ。勇者の剣「エクスカリバー」みたいでカッコイイ。力強くエクステ! と叫んでみると、ドラゴンボールの必殺技のようにも聞こえてくる。勝てる気がしてきた。

開封すると、長い髪の毛の先にクリップが付いているだけ的な物体が登場した。ほほう、これがエクステ……。こんなにも多くの髪の毛が100円で買えるとは……!

三日月のように湾曲したクリップは、開くと「パチッ」と音がして、閉じても「パチッ」と音がする。よくヅラを外す時の表現で「パチッ、パチッ」って言うのは、これなのかな……なんてことを思いながら、慎重に前髪あたりにパチッとしてみると……

あやしいチャネラーみたいになった。なんというか遊戯王! もしくは『ジョジョの奇妙な冒険』の花京院典明 (かきょういんのりあき)のようにも見えるが、わりとシッカリ固定されている。パチッとやるだけで……ほほぅ……これは、イイぞ!!

しかし、あまりにも前髪が長過ぎるので、慎重に慎重に、地毛を巻き込まないように気をつけながら「パチッ」とエクステを丁寧に外し、ハサミで自然な長さにカット。そしてまた慎重に慎重に「パチッ」とエクステ装着してみたところ……

バウンッ!」と、変なクセがついたままボヨヨンボヨヨンとカールした。そうだった、この商品の正式名称は『ヘアエクステ カール』、ボヨヨンカールがウリなのだから、短くしたらより一層ボヨヨンボヨヨンすることは当たり前……。うかつだった。

だが、この失敗したボヨヨンカールも、うまいこと本の髪の毛に馴染ませてフワフワさせてみると……

イケるやん! ぜんぜんイケる!! 圧倒的ボリュームアップ! 戦闘力100増し!! しかも自然! もしかして、さらに短くカットすれば「前髪」も作れてしまうのでは……

イケる! かなり怪しい若作りジジイになっている感もあるが、イケると言えばイケる。だが、いきなりの前髪増毛だと、おそらくみんなも「えっ」となるはず。ということで、もう1袋エクステを開封。髪の毛を切らないノーマル状態で馴染ませてみた。

イイ感じ。自分でも「どこがエクステなの?」と分からなくなるほど馴染んでいる。同じような髪型なのに、実は密かに “オデコホールが生じそうなエリア” の厚みがパワーアップしているのだ。心なしか暖かい。これは嬉しい温暖化……!!

──そして──

この状態で通常業務をこなしつつ……

同僚たちの視線が集まる「会議(ミーティング)」にもエクステティシャン状態で臨んでみたが……

まったく気づかれず!! まったくっ……! 完全に……! 完全試合っ……パーフェクトっ……!

念のため、副編集長の和才にも「実はいまウィッグ付けてたんだけど、気づいた?」と聞いてみたが、彼は「ウィッグ……ではなくエクステですか? ぜんぜん気づきませんでした!」と冷静に言い間違いを訂正してくれつつ、たしかに「わからなかった」と太鼓判を押してくれた。安心した私は、慎重に、慎重に……エクステを外した。パチッ。

Report:100均研究家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

▼今回使ったエクステはセリアで買ったコレ

▼長い髪の毛にパチパチ式クリップが付いている

▼こんな感じだ

▼和才「エクステってやつですよね」