
多くの変人が「自分は真っ当」だと思っているらしい。かくいう私(佐藤)も、自分では至極真っ当で良識ある人間、少なくとも当編集部において、ナンバー1の常識人だと思っているのだが、他のメンバーに言わせると「クズの極み」なのだとか。何がそう言わせるのか、まったく理解できない。
しかしながら、時々熱烈な支持を受けることがある。ある日のこと、当編集部に問い合わせがきた。シンガポール出身で東京在住の人物から、私に「お目にかかる機会をいただけないでしょうか」というのだ。実際に会ってみたところ、思いもよらないことを言われたのである!
・やっぱりクズかも……
正直申し上げて、私も薄々感じとっている。「クズの極み」は言い過ぎだが、ほどほどのクズであることは自分でもわかるのだ。他人が嫌いだし、言うことを聞くのが嫌いだし、人間は全員悪人だと思っているし、タバコ吸いまくるし……。常識人であることに間違いはないけど、善良とはいえないだろう。
そんな私に……。
「本日は、佐藤様にお願いがあり、メールをお送りいたしました。お忙しい中申し訳ございませんが、お目にかかる機会をいただけないでしょうか」
──お問い合わせを頂いた人物は、シンガポール出身の早稲田大学国際教養学部の大学生で、当サイトの熱心な読者だという。実のところ、私に寄せられる問い合わせの大半はクレームで、記事を書き始めた頃は「生理的に受け付けない」とか「顔が不愉快など」、それはもう涙なくしては見れないような苦情の数々。
まさかこの人も、会ってクレームを言おうって訳ではないだろうけど……。
よくよく問い合わせの続きを読んでみると、ネガティブな問い合わせではなかった。
「2014年にシンガポールから日本に来た時、私は全く日本語が分かりませんでした。その結果、私は東京で孤独でぼんやりしていました。
ある日、友人がロケットニュースを紹介してくれました。ロケットニュースの英語翻訳を通じて、多くの面白い記事を読んで、日本の特別な場所をたくさん見つけました。ロケットニュースのオリジナル記事を読むことができるように、日本語が上手になることが目標になりました」
──当サイトの英語版(SoraNews24)は英語圏の人に広く読まれており、意外にもシンガポールからのアクセスは多い。早稲田に在学中のこの人は知人から英語版を教えてもらい、母国を離れて寂しい日本暮らしの心のよりどころにしていたのだろう。やったぜ、ちょっとは役に立ってた!
・問い合わせて来た人物は……
クレームじゃないことがわかったので、さっそく会うことに。メールをもらってから約1週間後に、実際にお会いすると……。
なんと女性だった!
彼女は、ヤップ・チェン・シ・リエンさん。2014年9月に早稲田に入学。国際教養学部の4回生で来年卒業する予定とのこと。頂いたメールが大変丁寧で驚いたのだが、その理由を尋ねると、現在日本語の敬語に関する授業を受けており、勉強している最中なのだとか。
・入学時期の違い
彼女は当サイトの英語版を友人から教わり、現在は日本語版のサイトを辞書を片手に読んでいるという。ちなみにシンガポールで日本に関心を持つ人たちの間で、当サイト英語版は認知されているというから、大変有難い話である。
当サイトを知るまでの間、日本で友人を作るのが難しく、孤独に感じていたそうだ。というのも、言葉の壁もさることながら、入学時期にも問題があるらしい。日本の生徒の入学は4月である。ところが、外国人の生徒の入学は9月だ。
約半年のブランクがある間に、日本の生徒たちすでに友達関係がある程度出来上がっており、そこに入ることは難しいという。さらに言葉の壁もあり、それらを乗り越えていくのは大変なことなのだそうである。
しかし入学から3年を経て、現在は日本人の友達もでき、楽しく日々を過ごしているそうだ。問い合わせのメールの言葉遣いも、日本の友人にチェックしてもらったそうである。どおりであんなに上手い日本語だった訳だ。そんな彼女に、最近印象に残った記事を尋ねると、以下の3つを挙げてくれた。
【在日シンガポール人のヤップさんが選ぶ印象に残った記事ベスト3】
・油性マジックだけで軽自動車を全塗装してみた! かかった時間は2時間11分、使ったマジックは9本のみ
せっかくの「佐藤の車」をマジックで塗りつぶしてしまったのが、悲しかったそうだ。
・【カオス】初めての「闇鍋」が超ヤバかった
編集部中澤の持って来たチーズを食って、全員が体調を崩さなかったかが心配だったそうだ。
・【ハロウィン2017】インパクト絶大! 低クオリティでも「渋谷の街で人気者」になれる仮装はこれだッ!!
変身企画は単純に面白いと思っているそうだ。
・クズと呼ばれた私を
そんな彼女は、私のことをこう評してくれた。
「アイドルのような存在です」
そして私とこうして話していることについて。
「夢のようです」
……ああ、まさかそんな言葉をかけてもらえる日が来るとは……。振り返れば、2009年に当サイトで記事を書くようになり、最初の数年、問い合わせは全部と言っていいくらいクレーム。「クズ」とか「嫌い」ならまだ良い方で、命を軽んじるような内容のものもあったりした。
ぶっちゃけ、そこまで言うか? と言いたくものも多々あったのだが、今に至って「アイドル」とまで言ってくれる人がいるとは……。オジサン、泣いちゃうよマジで(涙)。
という訳で、今後は声高に自らを「世界の佐藤」と叫びたい。2018年は世界進出するか。
Report:世界の佐藤
Photo:Rocketnews24
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▼早稲田の国際教養学部で学ぶヤップさん
佐藤英典






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