約3年ほど前に980円で購入した軽自動車『三菱ミニカ(通称ミニカちゃん)』が、吐き気がするほどキモいおっさんの痛車こと「佐藤の車」に変身してから、はや1年以上が経過した。私の愛するミニカちゃんが、なぜ痛車に……。しかも佐藤……。

実はみなさんが想像している以上に、あの痛車を運転するのは恥ずかしかった。どこを走っても人に見られる。激写もされる。宣伝にはなっているかもしれんが……もう我慢できんッ! ということで、油性マジックだけで全塗装することにした。

・2時間11分、マジック9本でフィニッシュ

まず最初に結論から書いてしまおう。全塗装(オールペン)にかかった時間は、2時間11分。そして使用した油性マジックの本数は、豪勢に使って9本のみ、だ。

・ポイントは「極太マジック」

使用した油性マジックは、いわゆる「マジック」こと寺西化学工業の『マジックインキ』の「極太サイズ」だ。マジックインキシリーズの中でも、最もペン先の幅が広いタイプで、最大線幅は18mm。定価は1本400円(税抜)である。

ちなみに誰もが一度は使ったことがある寸胴タイプの「大型サイズ」は、定価1本120円(税抜)で、最大線幅は8mm。一度に塗れる面積が単純に計算しても半分以下なので、よりスピーディーに全塗装したいなら極太マジック一択であろう。



・下処理は雑巾がけのみ

本来ならばマスキングテープや下地材を塗らなければならない……のだが、今回の目的は「美しく塗る」ではなく、極めてシンプルに「佐藤感を消す」だけなので、下処理はササっと雑巾をかけただけ。固定カメラを数台セットし、いざ塗装開始!!

あとはもう、臭いに注意しながら、ひたすらマジックを握りしめてヌリヌリするだけ……なのであるが、塗っていくうちに「マジック塗装の極意」がわかってきた。


・極意その1:二度塗り禁止

まずは「一度塗りしかできない」ということ。同じ箇所を何度もヌリヌリすると、塗料が塗料を “ほじくる” というか、せっかく塗ったインクを、“また溶かして塗るような感じ” になり、仕上がりが非常に汚くなる。

よって、一度塗りでキメる集中力で塗装すること。一度塗りだからインクの使用量も減るし、作業スピードの短縮にもつながるので一石二鳥だ。

ちなみに極太マジックの使い方が極まってくると、まるで “うるし職人” のような塗り方になってくる。というか、マジックのインクが想像以上に光沢するので、本当に “うるし” を塗ってるような気持ちになってくるのが面白い。



・極意その2:セコってはいけない

もうひとつの極意は、「マジックは豪勢に使え」である。2度塗りするとムラが出ることもあり、塗っている最中に「やや、かすれてきたな……」と思ったら、ぜいたくに次のマジックを開封していった。そんな使い方をしての9本だ。

もちろんマジックをブンブンと振って「インクを先端に持ってくる儀式」を何度もやった末の「かすれてきたな……」であるが、もしもセコく使っていったら、9本どころか5〜6本、極めまくったら4本くらいで全塗装できたかもしれない。

・むしろ高級車に!

そんなこんなで2時間11分後……ついに佐藤の車の「油性マジック全塗装作戦」が完了した。至近距離から見ると「汚い車だな」と思うくらいのムラがあるのだが、遠目から見ると……めちゃくちゃ普通の「黒塗りの車」に見える! むしろ高級車!!

高級そうに見えるけど、かかった費用は定価400円のマジックが9本なので3600円。消費税込みでも3888円、4000円以内で全塗装ができちゃった\(^O^)/

ずっと作業を近くで見守っていた私の祖父も、「こりゃたまげた! 夜目遠目だな。」と太鼓判。※(よめとおめ → 夜や遠くから見ると綺麗に見えるという意味)

勝手に痛車のモデルにされたうえ、恥ずかしいと言われ続けた佐藤には申し訳ない限りだが、ミニカちゃん本人も佐藤感が見事に消えて喜んでいるようすであった。心なしか、いつもよりエンジンの調子も良かった気がする。よかったね、ミニカちゃん!

参考リンク:寺西化学工業「マジックインキ(極太)」
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
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▼動画もあるぞ!

▼さらば佐藤の車

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