映画館には特有のワクワク感がある。建物に入った瞬間のあの独特の匂いや、カーペットの歩き心地。ひんやりとした不思議な静けさ。スクリーンを横目に席に着く瞬間も、なかなかにたまらないものがある。映画館の非日常感が好きという人は、きっと多いのではないか。

ところで、あなたは映画が終わったらどのタイミングで席を立つだろうか。エンドロールの途中? それとも後? まあそれ自体は、周囲への配慮があるなら個人の自由だと思うが、たまにエンドロールの後にまだ続きが存在することがあるのだ。今回は、その時に沸き上がる様々な感情について考えてみたい。

・映画のエンドロール問題

ほとんどの映画は、本編が終わると音楽が流れ、エンドロールが始まる。スタッフのクレジットを凝視する人もいれば、映画の余韻を楽しむ人もいるだろう。私(あひるねこ)の場合、最初の予告編から館内の明かりが点くまでの間、トイレにも立たずしっかり座っていたい派である。

だが、中にはエンドロールが始まった瞬間に帰り支度を始め、そそくさと出て行ってしまう人もいる。そのことを批判する声があるのは分かるが、私としては、まだ見ている人への配慮があるなら、途中で帰ること自体はその人の自由だと思うのだ。もしかしたら、何か事情があるのかもしれない。

・エンドロール後に続きがあった時の感情

だがしかし。エンドロール後の展開によって、私の胸には様々な感情が沸き上がってしまう。それは、最後の最後に本編の続きがあった場合である。余韻を深めるようなちょっとしたシーンだったり、反対に大どんでん返しが起きたりとパターンはいろいろだが、観客にとっては大きなサプライズであることに違いない。

実は、私は映画館であの瞬間が1番緊張するというか、感情がたかぶってしまう。思わず「うおおおおお!」と叫びだしたくなると同時に、息を潜めて画面に集中する。と思ったら、先ほど出て行ってしまった見知らぬ観客のことを考えたりと、感情が非常に忙しいのだ。

特に最後の感情については、「あいつ、このシーン見ないで帰ったけど大丈夫かよ!」「ここを見ていると見ていないでは、感想がけっこう変わるのでは?」「その状態でレビュー書いたりしねーだろうな……」などなど、そこからさらに分岐するため、カオス極まりない。

・エヴァ破で帰る?

ちなみにではあるが、私がこれまでもっとも前述の感情に襲われたのは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』においてである。作品を見たことある人なら、私の感情を多少は理解していただけるのではないか。いや、当時ホントにいたのだよ! 宇多田の曲の途中で帰った人が!! うおぉぉぉおおおい! ってなるでしょ。

繰り返しになるが、エンドロールの途中で帰るのはその人の自由だと私は思う。客席のド真ん中を堂々と歩くのは問題外だが、最後までとどまることを強制はできない。しかし、その後にあるかもしれないプラスアルファのことを考えると、もうちょっと座ってたら? と思わずにはいられないのである。

執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.