2023年2月17日(金)から公開される映画『アントマン & ワスプ:クアントマニア』を一足先に観終えた瞬間、私(サンジュン)はただただホッとした。「マーベルめ……ようやくエンジンがかかってきやがったな?」というのが率直な感想だ。

「アベンジャーズ / エンドゲーム」以来、いまいち盛り上がりに欠けていたマーベル作品だが『アントマン & ワスプ:クアントマニア』は久々の会心作! 自信を持って「観ても後悔しないと思うよ!」とオススメできる秀作であった。

・あの盛り上がりはどこへ

専門用語は抜きでざっくり解説するが「アベンジャーズ / エンドゲーム」にて「アイアンマン」から続いたマーベル映画は一区切りがついている。足掛け11年間、23作品の及ぶ壮大なドラマは、日本のみならず世界を巻き込む一大ムーブメントとなった。

それまで「スパイダーマン」くらいしか知らなかった人たちが「キャップが~」などと話してくれる様子は胸アツの一言! 当サイトきってのクールガイ・あひるねこまでが「実は全部観ました」と言うほど、マーベルシリーズは日本でも知れわたる存在となったのだ。

だがしかし、その後のマーベル映画が「あの頃ほど話題になったか?」と言われたら「なってないス」と認めざるを得ない。コロナの影響があったことも否めないが、映画でいうところの「シャン・チー」から「ブラックパンサー / ワカンダ・フォーエバー」までを、この記事では “低迷期” と位置付けたい。


※ 念のため言っておくと作品自体は面白いんだよ! 中でも「エターナルズ」と「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」は最高だったもんね!! ただ特にマーベルに興味が無い人にまで刺さらなかったという話。なお「ドクター・ストレンジ / マルチバース・オブ・マッドネス」に関してはあえてノーコメントとさせていただく。


・低迷の大きな理由

では、なぜあれほどまで盛り上がったマーベル作品は低迷期に迷い込んでしまったのだろう? 理由は1つではないと思われるが「絶対的大ボスの不在」は少なからず影響しているハズだ。

指パッチンで全宇宙の半分の生命を奪い去った「サノス」がいたからこそ、オーディエンスは「勝てんの? これに勝てんの!?」と盛り上がったハズ。やはりヒーロー映画には恐ろしいほど強い悪役(ヴィラン)の存在が必要不可欠なのである。

・第2のサノス

そういう意味で『アントマン & ワスプ:クアントマニア』では、しばらく先までの大ボス「カーン」がようやく姿を現した。カーンは2026年5月公開予定の「アベンジャーズ / シークレットウォーズ」まで登場する見込みの、いわば “第2のサノス” である。

その能力や目的についてはネタバレのため伏せるが、1つだけ言えるのは「本編後のおまけ映像込みで全てスッキリする!」ということ。さすが第2のサノス、それでこそアベンジャーズが集結する意味があるというものよ。

で、本編の方も特に難解なことはなくサクサクとテンポ良く進む。物語の鍵を握るのはワスプの母「ジャネット」なので、余裕があればアントマン2に当たる「アントマン & ワスプ」を予習しておくといいだろう。「これぞマーベルよ」という痛快な作品だ。

もちろん細かく見るといくつかの伏線(や、オマージュ)が張られているので、細部までじっくり鑑賞してもいいだろう。頭が空っぽでも、審査員ばりに細かく見ても『アントマン & ワスプ:クアントマニア』は楽しめるに違いない。

冒頭でもお伝えした通り、私はいまホッとしている。本作で「ようやくエンジンがかかってきた」と感じることが出来たから──というか、遅いよ! ぜひみなさんにもマーベル映画復活の狼煙を劇場で感じていただきたい。映画『アントマン & ワスプ:クアントマニア』は2月17日(金)公開だ。

参考リンク:アントマン & ワスプ:クアントマニア公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:(c)Marvel Studios 2023

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▼5月のガーディアンズも俄然楽しみになってキターーー!