当サイトに高い頻度で登場する「天丼てんや」。おいしい天丼を手頃な値段で提供しながら、時たま謎極まりない新商品を発売したりするオチャメな人気チェーンである。私(あひるねこ)も過去に関連記事をいくつも書いてきた。

その際よく利用するのが、編集部の最寄りにある新宿東口店だ。いつも大変お世話になっております。今後ともよろしくお願いしまーす。ところが! 先日、久しぶりにお店の前を通りがかると、何やらいつもと様子が違うことに気付いた。マ、マジかよ! セルフサービス店になってる……だと……!?

・「てんや」のセルフサービス店舗

ここ数年、外食チェーンにおいて拡大しつつあるセルフサービス化の流れ。今ではとりわけ珍しい光景でもなくなったが、やはり最初は少々戸惑ってしまうもの。慣れ親しんだ「てんや」の店舗なら尚更だ。

後日、改めて新宿東口店を訪れた私は、入口でいきなりの洗礼を受けることになった。そう、食券機である。まさか「てんや」で食券機とは。「松屋」かここは。ちなみに、料金やメニューは通常店舗とまったく一緒だ。セルフだからと言って特に安いわけではない。

・入店からの流れ

中へと入り、そのまま適当な席につく。隣に座ったおじさんは「これでいいのか……?」とばかりに店内をキョロキョロ見回しているが、それでええんや、おっちゃん。じーっと待っとくだけでええんやで。ほれ、あのモニターを見てみい。

できあがったら、食券に書いてある番号があそこに表示されるんや。役所かよ。まあそれは俺もちょっと思ったけど、これがセルフサービス店舗っちゅうもんなんやで。あと水やお茶もセルフやからな。今のうちに用意しといてや。

・普通に食事

数分後、番号を呼び出された私はカウンターで丼を受け取り、席へと戻り箸を握る。なんてことはない。いつもの天丼と味噌汁である。

食べ始めると、当然ながら味もいつもの「てんや」だ。当然ながらウマい。隣のおっちゃんもウマそうに天丼をかっこんでいるぞ。よかったな、おっちゃん。こうして何の問題もなく食事を終えた私は、以前はなかったはずの返却口に食器を下げて、店を後にしたのだった。

個人的には、このセルフサービス店について特に不満はない。味が落ちないなら全国の店舗がセルフになってもいいと思っている。ただそれと同時に、私の胸中ではセルフ化した「てんや」に対し、複雑な感情も湧き上がっていた。それは何か。

・謎の感情

長年に渡り行われてきた口頭での注文、そして対面しての会計といった過程がすべて消滅したにもかかわらず、天丼自体はいつも通りおいしかったセルフ「てんや」。それはさながら、アンドロイド化した母ちゃんのようだ。

つまり、見た目は母ちゃんそのものなんだけど……え? お、おい! なんか関節部分に継ぎ目あんぞ!! この母ちゃん! 的な感覚である。いや、もちろん母ちゃんとして接するけどさ、なんか金属っぽいんだよなぁ~。……例えが分かりづらいって? 大丈夫だ、私もよく分からん。

どちらかというとアナログ寄りだった「てんや」が突如として超システマティックに進化したものの、中身は以前とそっくりそのままであるというこの奇妙な違和感は、少なくとも前に体験した「松屋」のセルフ店舗にはなかったように思う。先述したように文句は特にないのだが……慣れるまでしばらく時間がかかりそうである。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 天丼てんや 新宿東口店
住所 東京都新宿区新宿3-31-2 中央通り
時間 11:00~23:00、11:00~22:00(日・祝)

Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

日本、〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目31−2