PLといえば、プロ野球選手を多数輩出した「PL学園高校」や日本有数の巨大花火大会である「教祖祭PL花火芸術」を思い浮かべる人が多いだろう。もしかしたら「PLタワー」というワードを聞いてもピンと来る人は少ないかもしれない……しかし。
その存在感たるや圧倒的すぎるため、初見で思わず「CGですよね?」とつぶやいてしまう人も多いらしい。そんな不気味だけど気になるPLタワーについて調べてみたところ、どうやら一般でも入場可能とのことなので、今回は実際に訪れてみることにした。
・大平和祈念塔
やって来たのは、大阪府富田林市。アクセス方法は様々だが、近鉄長野線「富田林駅」からバスに乗り換え「PL病院前」で降りたら目の前だ。通天閣や太陽の塔にも負けない強烈なタワーが静かに座していることが分かる。迫力が……ハンパではない。
正式名称は「超宗派万国戦争犠牲者慰霊 大平和祈念塔」。大正時代に立教された神道系の宗教団体「パーフェクトリバティー(PL)教団」のシンボル的な宗教施設である。ちなみに高さは180m。宗教の違いを超えて全世界、全時代の戦没者の霊を慰めるために建立されたそうだ。
それにしても「世界平和を祈る人々の心を象徴している」というよりは「オラ、ワクワクすっぞ」の世界観である。人によっては『20世紀少年』や『クレヨンしんちゃん』を連想させるビジュアルらしい……スゴイわかる。
・敷地内へ
なお、敷地内は10時から16時まで通常水曜日を除いて誰でも入場可能。料金は無料だ。ただし、観光施設ではないため、目的はあくまで参拝のみ。看板によると「展望階への昇降はしない」らしく、現在入ることができるのは2階の神殿まで。
というわけで、敷地入り口から塔を目指して歩いていくのだが、これがまあなかなかの距離だ。塔が近づくにつれて言葉にはならない不安感も増していく……ゲームの世界で例えるなら、ラスボスが最上階で待機している城に体一つで向かっている気分だ。
・人生は芸術である
そして、いよいよ入口である。真下から塔を見上げてみるとマジでけっこう歪んでいる……気がするが、きっとPL教団の「人生は芸術である」という教義を具現化しているのだろう。ちなみにネット上では「ガウディみたい」とも言われていて、こちらも「なるほど確かに」といった感じである。
そして塔の内部はというと、心地よい音楽が流れ……なんというかとても穏やか。神殿に訪れる人はそれぞれ自由なスタイルで平和を祈っているらしく、筆者も教団の方に優しく促されて2階の神殿で平和を祈り、「お土産コーナー」で記念スタンプを押して帰ることにした。
・真理はひとつ
帰りのバスの中で「ようこそ聖地へ」という冊子を読んでみると……どうやら大平和祈念塔は第二代教祖が原型をデザインしたらしい。天を指してそびえ立つのは「真理はひとつ」という意味があるそうだ。顔を上げて車窓から再度PL塔を眺め、「真理は……ひとつ」と意味ありげにつぶやく筆者がいた。
というわけで、インパクト抜群のビジュアルに終始圧倒されてしまったが、ずっと気になっていた場所を訪問できて大満足。一見の価値はアリなので、興味がある方は一度訪れてみてはいかがだろうか。その際は聖地であることを理解したうえで、節度ある参拝を心がけよう。
・今回ご紹介した場所の詳細データ
名称 大平和祈念塔
住所 大阪府富田林市大字廿山285-1
時間 10:00〜16:00
休日 水曜日及び教団行事の際は閉塔
参考リンク:大平和祈念塔
Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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▼圧倒的なビジュアルである
▼入口へ
▼いただいた冊子
▼新聞
▼アートシアター
▼はに丸がいた
▼PL病院を目指すと入口がわかりやすいぞ
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