2017年11月3日、映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』が公開される。マイティ・ソーのシリーズとしては第3弾、アベンジャーズなどと世界観を共有するMCU作品(マーベル・シネマティック・ユニバース)としては第17弾となる注目の話題作だ。

記者は映画公開に先駆けて行われた試写会で同作を観て来たのだが、端的に言えばマイティ・ソーの中では今作が一番面白かったし、映画館向きの作品だと感じた。……んが、悲しいことに主人公のソーが弱すぎたことをここにご報告したい。ちょっとだけネタバレも含むので、ファンは閲覧注意だ。

・あらすじ

まずは既に発表されている『マイティ・ソー バトルロイヤル』のあらすじをご紹介しよう。


「ソーの前に “死の女神・ヘラ” が現れた。復讐と野望に燃えるヘラは、ソーの故郷へ攻撃をはじめる。故郷を奪われたソーはこの最強の敵を倒すため盟友ハルク、宿敵ロキらと型破りのチーム “リベンジャーズ” を組み極限バトルに挑む。

果たして、ソーたちは史上最強の敵からこの世界を守ることができるのか? 死の女神・ヘラの復讐の目的は!? そこにはソーの運命を変える秘密が隠されていた──」


アベンジャーズの中では「アイアンマン」「キャプテン・アメリカ」「ハルク」らと並び、ビッグ4の一員であるマイティ・ソー。言うまでもなくMCU作品における超重要人物で、その強さもハルクと並び “マーベル最強クラス” とされている。

・ソーの設定

さてさて、ガンマ線を浴びて強くなったハルク、特殊な血清で超人的な力を手に入れたキャプテン・アメリカ、クモに噛まれて能力が覚醒したスパイダーマン……などなど、スーパーヒーローには “能力設定” があるが、ソーの設定はズバリ “神” だ。

神様ならばさぞかし強かろう……いや、ブッチギリで強くなければ神じゃない。そもそもソーの強さがマーベル最強クラスとされているのは、この “神” という設定に拠るところが大きいハズだ。だがしかし『マイティ・ソー バトルロイヤル』の中のソーは神とは思えないほど普通に弱い

今作のボス、ヘラの設定は伏せるが、これについてはおそらく「ソーより強くて当然だわ」と納得できる人が多いことだろう。ハルクが仲間になるのも、宿敵であり弟のロキと手を組むのも別にいい。だが作品中でたっぷり出てくるソーの弱さについては、戸惑いを隠せなかった。

ネタバレになるが1つだけ例を挙げると、ソーは「手錠付きの椅子」にいとも簡単に拘束されてしまう。いいか? “い・と・も” 簡単にだ。設定が設定だけに「神様……なんだよね?」と頭の中を「?マーク」が何度も駆け巡った。精神が弱いとかではなく、肉体が弱いのだ。

そこで1つ提案だ。今後はソーを神様だと思うのはやめたらどうだろうか? 神様ではなく、単なる宇宙人だと思えばいい。実際に映画の中では地球人ではなく宇宙人っぽく描かれているし、宇宙人であれば弱さがあっても納得がいく。どう考えても神様という設定が重すぎるのだ。

逆に言えば、最初からソーのことを宇宙人だと思っていれば、本作は違和感なく楽しめる。正直、そこまで評価が高くない前2作よりも俄然面白いし「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を彷彿とさせるポップなノリも映画館向きだ。もう1度言う、ソーを神だと思ってはいけない。

登場キャラ数も豊富で、2018年4月公開が噂されている「アベンジャーズ / インフィニティウォー」へ続く重要な役割を果たすと言われている今作品。『マイティ・ソー バトルロイヤル』は11月3日公開だ。

参考リンク:マイティ・ソー バトルロイヤル公式サイト
Report:P.K.サンジュン
Credit:Marvel Studios 2017

▼予告編はこちら。

▼前作に引き続き、浅野忠信さん演じるホーガンも登場する。

▼ソーを神様だと思ってはいけない。宇宙人と考えよう。