当たり前だが、「姿勢」は良いに越したことないのである。猫背を改善するだけで胸元もドーンッ! と大きく見えるし、身長もグーン! と高く見えるし……つまるところ、“スタイルよく見える=カッコイイ” からだ。よ〜し、姿勢を正そう٩( ‘ω’ )و

──とか言いつつ、いつの間にか背中が丸まっているのが猫背である。当の私も猫背歴30年以上のベテラン猫背なので、たびたび通称「姿勢矯正ベルト」を愛用しているのだが、なんと同じような商品が100円ショップ『ダイソー』で売っていたーッ! 実際に何度か使ってみたので、使用感などをご報告しておきたい。

・ダイソー『美姿勢サポーター』100円

私がダイソーで手に入れたのは、『美姿勢サポーター』なる商品で、もちろん価格は100円だ。パッケージには「美しい姿勢をサポート」との心強い言葉が、細文字ゴシック体で書かれている。なお、サイズはフリーだ。さっそく開封してみると…

箱の中には、黒い織ゴムを「○x○」的に縫い合わせた物体が入っていた。パッケージ写真の通りではあるが、いざ実際に手にしてみると、想像以上のショボさに軽い衝撃を受ける。だがしかし、この衝撃もまた100均の醍醐味であろう。

なにはともあれ、装着である。

こんな100均のグッズで猫背が治ったらマジ最高すぎるぜ……と思いながら腕を通したのだが、両腕を通し終えたその瞬間、「これは難しい戦いになるぞ……」と感じた。

マイルドな言い方をすれば、まさに「マイルドな矯正だな……」であり、平たく言うなら「コレ、たぶん、なんの役にも立たないぞ……」である。

たしかに装着直後は「サポーターを付けてる感」が頭にあるため、自然と姿勢に意識がいく。よって、おのずと胸を張り、胸板ドーン!! とナイスなバディに見えてくる。

だがしかし……しばらくすると、サポーターの存在を忘れがちになるのだ。

たしかに「両腕に織ゴムを巻いてる感」はあるのだが、「両肩が背中方面に引っ張られている感」が薄いため、「胸を張ろうとする意識」も薄まってゆき、ふと気づいたら猫背の姿勢に逆戻りしていたりするのである。

単刀直入に言えば「肩を引っ張るべき背中の織ゴムの力が弱い」うえ、「そもそもサイズがあってない」のである。ところが選べるサイズはフリーのみ。これしか選びようがないので、もはやどうしようもないのだ。

そこそこの胸板がある私(男)でこうなのだから、スリムな人や、腕まわりの細い女性などでは、さらに「装着感」を感じなくなるかもしれない。

・それよりも致命的な弱点があった

だが! この商品には、さらに致命的な弱点があったりする。しばらく使っていると、もれなくサポーターがズリ上がってくるのだ。背中の「バッテン」が、いつのまにか「うなじ」のあたりまでズリズリとズリ上がってくるのである。

ちなみに、そこまで高くない価格で売られている「背筋矯正ベルト」も、体の動かし方によってはズリ上がってくる。だが、つかめる部分が多いため、位置を元通りにするのは楽チンなのだ。

ところが、この『美姿勢サポーター』で位置ズレすると、なかなか元のポジションに戻せない。首裏までズリ上がった「x」の部分を、肩甲骨あたりの位置まで後ろ手でズリ下げるのはヨガマスターでない限りは難しいので、腕に巻かれている輪っか部分を上手につまんで「クイッ、クイッ」と回転させながら元の位置に戻すしかないのである。

──てな感じで、私の場合は何の役にも立たなかった『美姿勢サポーター』であるが、2つある輪っかの部分をハサミでチョキっと分離すれば、お弁当箱を固定する「ランチベルト」にはなりそうだ。ごはんは正しい姿勢で食べましょう。いただきま〜す!

Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.