店の外観は、そのお店の「顔」である。その顔ひとつで売上に大きな影響を与える。お店の提供するサービスと外観がマッチしている方が、お客さんに戸惑いも少ないはず。しかし逆に、外観と店の中身が極端に違うと、意外性が生まれて話題になるだろう。
たとえば東京・下北沢の『カレーの惑星』は、外観だけでカレー屋と判断するのは難しい。なぜならどう見てもカメラ屋にしか見えないからだ。えっ……ここ、カレー屋だったの!?
・カメラ屋に行列?
この日、私(佐藤)は、たまたま向かいのお店にいた。窓の外を見ると、カメラ屋さんの前に人が並んでいる様子が見える。はて、何だろう? そう思いながら見ていると、客足が絶える感じがしない。あとからあとから人が来る。なぜカメラ屋に行列が? 何か特別な撮影サービスをしているのだろうか?
気になってお店の前まで行ってみると……。入り口に「Special Curry Plate」の立て看板がある。そして窓には「カレーの惑星」とあるじゃないか! 中からスパイスの芳しい香り。こっ、ここは……カレー屋だ!
このお店もまた、下北沢カレーフェスティバルに参戦しているらしいので、さっそく入店してみた。
・カレーフェス用のメニュー
お店はキーマカレーが看板メニューで、普段は常時3種類のカレーを提供しているのだとか。カレーフェス期間中(2017年10月6~15日)は、Special Curry Plate(レギュラー1290円、ミニ780円)のみの提供を行っている。
さ〜て、外観は完全にカメラ屋のカレー屋さん、一体どんなカレーを味わうことができるのか?
おお! 彩り鮮やかなドライキーマカレー。黄色のターメリックライスに茶色のカレー。その上のパクチーとコリアンダー、食用花の色合いが美しい。芸術的だ。
器のフチには、5種の付け合わせ。ナスのアチャール(インドの漬物)やニンジンのピクルスなどがあしらわれいる本格仕様なので、野菜の美味しさを存分に味わえることだろう。「美」を意識する女性の支持も高そうだ。
華麗に花咲く「美」のカレー。きっと優しい味に違いない。あまりの美しさと優しさに、きっとインド人もビックリするはず。私はインド人じゃないけども……なんて思いながらパクリとひとくち食べてみると──!!!!
辛い……ちょっと辛い。いや、結構辛いぞ! 香辛料のパンチが効いている。優しい味だと思ったら大間違い。スパイスの効いた本格的なインドカレーである。まるで「物腰の柔らかいインテリな人」だと思ったら、実は「実践主義の辛口批評家(しかもインド人)」だったみたいだ。
とにもかくにも、カメラ屋の外観の向こうには、本場のカレーが待っていた。下北沢に来たはずなのに、いつのまにかインドにいた。
・今回訪問した店舗の情報
店名 カレーの惑星
住所 東京都世田谷区北沢3-34-3 1F
カレーフェスの営業時間 12:00〜15:00(LO)、18:00〜21:00(LO) 土日祝11:30〜21:00(LO) ※売切次第終了
定休日 不定休(カレーフェスは全日営業)
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24