セブンイレブン、おそるべし……。

2022年8月某日、セブンイレブンのお弁当コーナーで私は我が目を疑った。あの激アツだったカレーフェアが再び開催されていたのだが……今回も本気だ。

あ、あの「魯珈」のカレーが売っているですって!? 他にも有名どころのカレーが集まっている。

カレー好きもうなる凄まじいセレクトにビックリだった。今回のカレーフェスのヤバさを、いちカレーファン目線で熱くプレゼンさせてほしい。


今回のカレーフェスで展開しているのは4種のカレー(惣菜、おにぎり、スイーツは割愛)。このうち3種類が新作である。


・銀座デリー監修 「カシミールカレー」
・エリックサウス監修 「チキンビリヤニ」
・魯珈監修 「ろかプレート」


たぶん、関東近郊のカレーマニアなら「おおっ」と思う名店ぞろい。前回のカレーフェアは老舗寄りの堅実なセレクトだったが、今回の布陣は老舗だけでなく、ニューウェーブ系までギリギリのラインを攻めて来ている!

・SPICY CURRY 魯珈「ろかプレート」(税込702円)

まず最初に震えたのが大久保にある「魯珈」とコラボした商品があったこと。「魯珈」は食べログのカレーランキングでも上位に入る超人気店だが、店に入ること自体がけっこう難しいのだ。

平日のランチ営業がメインで、夜も営業しているのは火・木だけ、土日祝休み。予約不可で朝早くに整理券をゲットしないと食べられないという……。遠方にいたら食べる機会は限られると思う。

そのめったに食べられない魯珈のカレーが! 全国のセブンイレブンで、昼夜を問わず買えるなんてすごいのだ。

ちなみに「ろかプレート」は店の看板メニュー。みんな大好きなスパイスカレーと、近ごろ人気の魯肉飯があいがけになっている。最高じゃん。

入っているのは、魯肉飯、ポークカレー、チキンカレー、アチャールと呼ばれる辛い玉ねぎの漬物。一皿でいろんな味が楽しめるようになっていて飽きない。甘めの魯肉飯がいいアクセントに! いろんな味が楽しみたい人に一押し。


・エリックサウス「チキンビリヤニ」(税込669円)

ナンにつけて食べるのが北部のインドカレーなのだが、近年人気なのが、スパイスがきいてサラッとした南インドカレー。

で、南インド料理の中でも人気を集めているのが、「ビリヤニ」というスパイスの効いた炊き込みご飯やピラフのようなもの! 実は作るのに手間と時間がかかるので売ってるお店はそこまで多くない(さらに量も多くて高いのでひとりだと注文しづらい)。

エリックサウスは南インドカレーブームの草分け的な名店で、高円寺にビリヤニ専門店も持っているのだ〜!

そのビリヤニがコンビニでも買える、というのはめっちゃポイントが高い! ビリヤニは壺焼きするから、自宅だと作るの難しい……っていうか無理だし。

パラっと仕上げたチキンビリヤニは単体で食べても、中央のカレーソースをかけて味変しても◎。

実はスパイスの独特な香りが一番強いのがこのメニューだった。特に真ん中のカレーは香りが強め! シンプルに見せかけてなかなか通好みの味わいになっていた。

ちなみに、本場の店だと「ライタ」というキュウリ入りのヨーグルトサラダをかけて味変することが多いのでお試しあれ。


・銀座デリーの伝統の味「カシミールカレー」(税込594円)

「銀座デリー」はカレー好きでその名を知らぬ者はいないだろう……ってくらいの名店である。ちなみに前回のカレーフェアでも「チキンコルマカレー」を出していた。今回はなんと店の看板メニュー「カシミールカレー」である。

具はシンプルにじゃがいもとチキンだけ。カレーのルーはサラサラだけど奥深く、そしてスパイスの辛さが後からドーン!とくる。

カレー好きに「どこのカレーが一番好きか」と聞くと、なぜか「デリーのカシミールカレー」と答える人が多い。しかも「最初は良さが分からなかったけどいろんな店を回って、最終的に『デリーのカシミールカレー』に行き着いた」みたいなことを言う人が多いのだ。

名盤と言われるCD、若いころ聞いたときは凄さがいまいち分からなかったけど、10数年ぶりに聴いたら「とんでもないな」って気づくみたいな。そんな感じのカレーなのである。

実際に食べてみると……完全にコンビニカレーの域を超えた辛さ。店の味の再現度はデリーがナンバーワンだと思う。柔らかいチキン、ちょっと固めのじゃがいも。ああ、コレコレコレ! 

ちなみに、カシミールカレーの攻略方法は途中で水を飲まないこと。水を飲んだ途端、なぜか辛さの爆弾が口の中で弾けるのだ……。辛いときはなにもかかってない白米を食べるのがよろし。本当に辛いので、辛いものが苦手な人は一気にルーをかけると逃げ場がなくなるので要注意! 


・カレー好きはマストチェック!

ちなみに、3種食べてみて一番再現度が高いのはデリーの「カシミールカレー」だと思った。栗田貫一のルパンのモノマネか、アイデンティティ田島による野沢雅子の声マネくらいの再現度だった。

もちろん完全に店の味とはいかないまでも、名店のDNAをたしかに感じさせる味わいに仕上がっている。コンビニでこんなメニューが食べられるようになるなんて、スゴイ時代になったものである。この夏、当分はこのカレーフェスに参加することになりそうだ。

参考リンク:セブンイレブン
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.