誰にでも「一番好きな映画」があると思うが、「今まで見たなかで一番怖かった映画」など、それぞれカテゴリーによって挙げる作品が異なるだろう。
そんななか、海外掲示板Quoraのユーザーが「見ていられないほど辛い気持ちになる映画」について語っているので、日本で馴じみがある7作品について紹介したいと思う。あの忠犬ハチ公を描いた映画や、『火垂るの墓』など日本映画も登場しているぞ!
1. 『HACHI 約束の犬』
この映画は、1987年に公開された日本映画『ハチ公物語』のハリウッド版リメイク。説明の必要はないと思うが、忠犬ハチ公は死去した飼い主の帰りを東京・渋谷駅の前で、約10年間も待ち続けたワンコである。
海外ユーザーからは、「けなげなハチ公が、飼い主の死を知らずに待ち続ける姿が辛くて見ていられなかった……」との声が。映画を見て泣いたことなどなかったというユーザーも、この映画には号泣してしまったと語っている。
2. 『シンドラーのリスト』
本作の主人公は、ドイツ人の実業家オスカー・シンドラー。ナチによるユダヤ人虐殺を目の当たりにした彼は、労働力の確保という名目で、多くのユダヤ人を安全な収容所に移動させるのだが……。実話を基にしていて、罪のないユダヤ人がガス室で大量虐殺されるシーンも登場するだけに、思わず目を覆ってしまう作品だ。
3. 『火垂るの墓』
戦争で両親を失った幼い兄妹がたどる、過酷な運命を描く作品。こちらも実体験が基にになっている作品で、読者のなかにも見たことがある人は大勢いるだろう。海外ユーザーが「見るなら覚悟して」と警告しているほどだが、筆者のアメリカ人の元カレも、あまりにも見ているのが辛くて最後まで鑑賞できなかった……と言っていた。
4. 『トレインスポッティング』
ドラッグに溺れる若者が、大量のドラッグを売りさばいて一旗揚げようとする……というストーリーで、ヒップな音楽やスタイリッシュな映像がウケて世界中で大ヒット!
しかし、職なしでヘロインにハマり落ちぶれた生活を送る登場人物のライフスタイルや、そのせいで育児放棄になって赤ちゃんが命を落としてしまうシーンもあり、かなり見ていて辛くなる作品なのは確かである。
5. 『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』
恋愛経験が乏しい女子大生アナスタシアが、女性と正常な恋愛関係を育めない大富豪クリスチャン・グレイとSMの主従関係を結び、どんどん彼との関係にのめり込んでいく……という展開だ。
愛を返すことができないクリスチャンに、「いつか私の愛で彼を変えることができるかも」と期待して、恋に落ちるアナスタシアを見ていられない……とコメントするユーザーがいた。
6. 『プレシャス』
本作の主人公は、父親の性的虐待で2人の子供を妊娠・出産した16歳のプレシャス。読み書きが出来ずに、両親から想像を絶するような虐待を受けながらも、ある女性教師と運命的な出会いを果たしたプレシャスが、人生に希望の光を見い出すようになる。
衝撃的な作品で見ているのが耐えられなくなるが、各賞を総ナメにした秀作でもあるので、「見る価値は十分にある」とユーザーがコメントしている。
7. 『アメリカン・ヒストリーX』
本作の主人公はアフリカ系アメリカ人に父親を殺害され、白人至上主義の極右組織 “ネオナチ” のメンバーとなった兄弟。そんな二人に起こる悲劇を通し、アメリカに強く根づく差別や人種問題といった、現代アメリカの暗部を浮き彫りにした衝撃作だ。
公開されたのは1998年だが、現在でもアメリカでは鉤(かぎ)十字が至る所にスプレーされ、KKK(白人至上主義団体)が町中を行進することもあるだけに、今でも深く考えさせられる作品であることは間違いないだろう。
筆者は、『HACHI 約束の犬』以外の作品は全部見ているのだが、「見ていて辛い映画=見る価値があり、何か学べる作品」である場合が多いのではないかと思う。特に『シンドラーのリスト』は、「人間の尊厳とは何か」を問う作品なので、ぜひ鑑賞することをお勧めしたい。
▼『シンドラーのリスト』の予告編
▼『トレインスポッティング』の予告編(英語)
▼映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の予告編