私(佐藤)は島根県の出身である。全国的にはマイナーな県のイメージがあるかもしれないのだが、意外にも島根出身の有名人は多い。近年はテニスの錦織圭選手がもっとも知られている出身者だ。そのほか、お笑いコンビ「ニッチェ」の江上けい子さん。同じく「かまいたち」の山内健司さん、ピン芸人のルシファー吉岡さんなどなど。最近注目を集めている人も少なくない。
実はフードファイターとして良く知られている、ロシアン佐藤さんも出身者のひとり。私は同郷であることを全然知らなかったのだが、最近縁あって、ハンバーグやステーキの食べ放題で人気の『モンブラン』で一緒に食事をする機会を得た。「これはフードファイターに挑戦するチャンス!」と思い、一方的にバトルを挑んだのだが……惨敗どころの話じゃなかった。底なしかよ!
・島根つながり
私とロシアンさんが出会うきっかけを作ってくれたのは、島根県ふるさと親善大使であり、食SNS「Retty」の公式トップユーザー、さらに食べあるキングとしても活躍する西村愛さんだ。彼女の提案で、存分に食べることのできる、浅草のモンブランに行くことになった。
こりゃ、一丁勝負するしかない! 大食いではないけど、普通の男性よりは食える自信があるぞ! よく見ると、ロシアンさんは結構小柄だ。小柄な女性に食で負ける訳にはいかんやろ! ということで、一方的に戦いを挑むことに決めた。
「うっし! 漢(おとこ)を見せたろうやないかい」と、気合いを入れる私に対して、ロシアンさんは余裕でサラダを撮影。どうやら視界にも入っていないご様子。
・最後まで食べていた方が勝ちという、勝手ルール
ちなみに今回は、平日夜の食べ飲み放題で4380円(税抜き)3時間である。誰が何をどれだけ食べようと、料金は割り勘ということになった。バトルと言っても、基本はシェア。残すと別料金を支払うことになるので、食べ残しのないようにシェアしつつ、最後まで食べていた方が勝ち。というルールを私の中で一方的に決めた。
・食べ放題スタート
これから1品ずつ紹介して行こうと思う。料理の後ろにカッコ書きしている金額は、メニューに記載された値段(税抜き)である。そんな訳で1品目はコンビネーションサラダ(480円)だ。500円を切る値段なのに、3人で十分に取り分けられる量。
注文はお店をよく知るロシアンさんに任せることになった。サラダの次は1人1皿のコーンポタージュ(480円)。あってもいいけど、ハンバーグやステーキをたくさん食おうと思ったら、やや重めでは? しかし彼女は全然お構いなし。あとで1皿おかわりしていた。
・第1次ハンバーグタイム
最初のオーダーでハンバーグ3連発。一番人気のチーズたっぷり、オランダ風ハンバーグ(880円)。
ブラウンソースのロシア風ハンバーグ(880円)
特製デミグラスソースで煮込んだハンバーグシチュー(1080円)
・揚げ物タイム
前菜にしては結構ヘビー。ここでロシアンさんはメニューを見ながら、一旦ハンバーグから離れる選択をした。
1本20センチ近くある立派なエビフライ(1180円)
カリッと揚げたタマネギがどっさりと乗ったオニオンステーキ(1280円)
ステーキ肉を揚げたビーフカツレツ(1180円)
・料理の7割を食うロシアン
序盤からハンバーグで飛ばすなあと思ったら、それに続くのは揚げ物とステーキ! 実はここまでのオーダーの7割をロシアンさんが食べている。ハンバーグやステーキだけでなく、付け合わせのコーンやパスタまで、全部さらっていくのだ。追いつけない、完全に置き去りにされてる、勝負になってねえ! この2回目のオーダーでダメ押しに、鉄板焼ナポリタン(980円)まで注文した!
粉チーズをかけて卵黄を潰しながら、実に楽しそうに混ぜ混ぜしてるじゃないか。全然余裕かよ!
・思わぬ錯覚に陥る
ここで私は妙な感覚に陥る。料理のほとんどをロシアンさんが食べているというのに、自分も食っている気になっているのだ。明らかに自分の食べている量の方が少ないというのに。
その理由は、おそらく彼女の食べ方がとても自然で、「大食い」をしているように見えないからだ。とてもキレイで静かに平らげている。淡々と食べて、皿が空いていくところを見ると、「自分が食ったのか?」と錯覚してしまう。実際自分のペースは落ち続けているのに、彼女のペースは全然変わらない。
ここでさらに次のオーダー。ミックスピザ(1180円)が来た。
・自分用のステーキ丼を注文!
取り分けて食べるだけでも十分な量のはずなのに、ロシアンさんは自分用に1品オーダーした。それは、ステーキ丼(1350円)だ! ちょっと待て、今はコース料理でいうところのどこら辺なの? 折り返し地点? それともシメ? よく分からん!!
・第2次ハンバーグタイム
時間的にいうと、ここまで約1時間半。食べ放題制限時間の半分辺り。ロシアンさんのペースが変わらない一方で、私はもう箸をつける余裕が無くなっている。ここで、再びハンバーグの時間がやって来た。イタリアン風ハンバーグ(880円)と和風ハンバーグ(880円)。そしてカレーハンバーグ(1080円)が登場
フードファイターの日常が、こうも凄まじいとは……。せめて、せめて一口でも食べ進めて一矢報いたい……。
・いよいよシメか?
こちらの手がほぼ止まっているというのに、彼女の攻勢はまだまだ続く。いきなりおつまみに飛んで、揚げチーズ(380円)。
鉄板フランクフルト(380円)。おっと、コレは終わりに近づいてきたのではないか?
・まさかのスペシャルプレート!!
私はこっそりとバニラアイス(300円)を注文して、デザートで締めようかなと思っていた矢先だった。
ハンバーグ・エビフライ2本・からあげ・目玉焼きの乗った、スペシャルプレート(1780円)を注文していやがった! 下り坂に差し掛かったんじゃなかったのかよ!! なんでそんなに嬉しそうに食ってんの!? 「わ~い!」じゃないよッ!
バケモノや、まさに「大口モンスター」。
次元が違う。戦意喪失……。
・再びカットステーキ
ここからは彼女の独壇場である。口直しにクリームソーダ(300円)を頼みつつ、カットステーキ(1280円)を注文。さっきステーキ丼食ったっていうのに。
そうこうしている間にラストオーダーの時間を迎え、ゼリー(300円)を4つとアイス(300円)を2つ、シャーベット(300円)を2つ注文。別腹とか言えるような余白がどこにあるのか?
・最後の最後に
それで本当に終わりかと思ったら、思い出したように「あ、揚げチーズください」だって。恐るべし……。
という訳で、3時間いっぱい淡々と食べ続けたロシアンさんは、私など遠く及ばない存在であることがわかった。
・食べ物だけで元が取れてしまう
ここまで食べたものを、メニューに記載されている金額で合計すると2万1750円(税別)! 飲み物を含まずにコレだ。3人分の食べ飲み放題の料金が1万3140円(税別)なので、元を取るってレベルじゃなかった。
私の挑んだ一方的な戦いは惨敗に終わったが、いろいろなメニューを楽しむことができて、有難く感じた。また、キレイに皿を平らげて行くロシアンさんの姿は、大変清々しいものがあった。さすがフードファイターとして知られるだけのことはある。またいずれ、一方的に戦いを挑んでみたいと……思わない!
協力:ロシアン佐藤(ブログ「お腹が空いたらMONSTER」)、西村愛(ブログ「自分日記」)
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
▼YouTubeでも活躍するロシアン佐藤さん。チャンネル登録者数が10万人に達したそうだ
▼それにしても、素晴らしい食いっぷり