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【芸術の秋】ロケットニュース24記者がオススメする「一度は観て欲しい映画」14連発!

2016年11月3日

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秋のスピードは早い。ついこの前までは昼間なら半袖でも平気だったのに、ここ数日は長袖が手放せない。気付けば2016年も残り2カ月ほど……ど真ん中の秋である。秋といえば「読書の秋」「運動の秋」「食欲の秋」、そして「芸術の秋」だ。

以前の記事で芸術の秋をテーマに「インスタに最高! ロケットニュース24記者がオススメする『超キレイな写真が撮れる絶景スポット』14連発!!」をお届けした。今回は芸術の秋第2弾として『記者たちがオススメする「一度は観て欲しい映画」14連発』をご覧いただきたい。

・P.K.サンジュンのオススメ:「Hedwig and the Angry Inch(ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ)」


初めてこの映画を劇場で観たとき、ハンマーで頭をぶん殴られたくらいの衝撃を受けた。簡単に言えば、性適合手術を受けたロックミュージシャンの生きザマを描いた話。とにかく音楽が最高で、あのマドンナが楽曲の権利を手に入れようとしたのは有名だ。観たらそのままサントラをポチること間違いなしの大傑作。

Nekolasのおススメ:「ビッグ・フィッシュ」


鬼才ティム・バートン監督がメガホンを取った、父と息子の心の交流を描いた最高傑作。主人公ウィルは、おとぎ話のような奇想天外な人生を送ったという、父エドワードの話を子供の頃は信じていた。しかし、とうに成人したウィルに、ホラ話としか思えないような話を繰り返す父に、ウィルはウンザリ気味だった。

ところが、父の病気が悪化したとの知らせを受けて帰郷したウィルが、父が語って聞かせてくれたファンタジーのような人生が、実は本当だったと知る……というストーリー。

とにかく、ティム・バートン節が炸裂するファンタジックな世界観が圧倒的にマジカルで、その完璧なストーリー展開といい、心を揺さぶられずにはいられないエンディングに涙すること間違いナシ! そして、悲しくなってしまうような涙ではなく、「人生って素晴らしい!」と思わせてくれる、爽快感あふれる涙になることを付け加えておきたい。

砂子間正貫のオススメ:「グッドフェローズ」


大学の授業には顔を出さずに近所のレンタルビデオ屋に皆勤賞レベルで通っていた私の思い出の一作。ダラダラとしていた私に「俺は大統領よりもギャングになりたかった」という主人公の刺激的過ぎる半生が強烈に突き刺さったのだ。

レイ・リオッタ、ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシといった超豪華俳優陣がキレッキレの演技を披露。欲しいものは必ず手に入れ、気に入らないやつは殺す……これ、99 パーセントが実話なのだ。スコセッシ監督の最高傑作とも言える同作は、ぜひ一度ご覧いただきたい。

あひるねこのオススメ:「バグダッド・カフェ」


有名作で恐縮だが、秋に見たい映画で最初に浮かんだのが今作「バグダッド・カフェ」だった。特に劇的な出来事が起きるわけではない。ある寂れたカフェに主人公がやってくる。ただそれだけ。しかも、その主人公とは太ったおばさんだ。

こう文字にしてしまうと、ツカミの弱さが異常だな。しかし、そのおばさんが来ることで、カフェとそこに集う人々は徐々に “イイ感じ” になっていく。それがとても心地良いのだ。春、夏、冬。どれもちょっと違う気がする。秋になると、「バグダッド・カフェ」が見たくなる。

りょうのオススメ映画:「スタンド・バイ・ミー」


ビデオやDVD、テレビ放送を含めて20回以上は見た映画。「死体探しの旅」に出た少年4人の物語で、冒頭で飛び出す主人公の名言から一気に引き込まれる。年を取れば取るほど、この映画を見た時に遠い少年時代を愛しく思うだろう。

劇中で流れる1950年代の音楽も最高! また、海外ドラマ「24-TWENTY FOUR-」でお馴染みのキーファー・サザーランドが不良役で登場している。彼の若かれし姿が見られるのも貴重だ。

K.ナガハシのオススメ:「Dinner Rush(ディナー・ラッシュ)」


ニューヨークのイタリアンレストランの1日を描いたサスペンスドラマ。登場する料理の美しさもさることながら、ディナーラッシュ(夕食時の混雑)に向かって盛り上がる臨場感満点のストーリーが秀逸。“食欲の秋” であるこの季節にぜひご覧いただきたい1本だ。

和才雄一郎のオススメ:「Shall we ダンス?」


秋といえば、中秋の名月。夜空に浮かぶお月さまを眺めたくなるものだが、「Shall we ダンス?」を見た後も、ついつい上空を見上げてしまうに違いない。特に電車に乗っていて、周囲にビルがあったらもうヤバイ。そのビルの窓をガン見してしまうはずだ。「もしかして、あそこに出会いがあるんじゃないか!?」と期待しながら。

そういう意味で、「Shall we ダンス?」は中秋の名月みたいなもの……というのはこじつけ過ぎかもだが、とにかく名作中の名作であることは間違いない。ちなみに、私はハリウッド版より日本版の方がオススメだ。

──珠玉の名作がズラリと並ぶ前半戦も終了。あなたがイチ押しの映画はあったかな? これまたズラリと名作が並ぶ後半は2ページ目へどうぞ!

Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

・【芸術の秋】ロケットニュース24記者がオススメする「一度は観て欲しい映画」14連発!(2ページ)

佐藤英典のオススメ:「マトリックス」1~3部


言わずと知れた名作。この作品は、コンピュータとの戦いを描いている。人間がコンピュータの動力源として培養され、そのことを知らずに生きる多くの人々を解放するために、キアヌ・リーブス演じるトーマス・アンダーソン(ネオ)らが戦う話。

公開当時、派手なVFXが取りざたされたが、随所に散りばめられたメタファー(暗喩)を読み解くのが非常に面白かった。私は最後のシーン(エージェントスミスとの一騎打ち)の結末が非常に意義深い。

何より良いのが、ネオは最後の最後まで何もわからない普通の人で居続けたこと。最後に選択をするまで、何も理解できないけど超強いという、情けないキャラでありながら、それがまた人間らしくて面白かった。時々ムショーに観たくなる。

中澤星児のオススメ:「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」


あなたは、日常のふとした瞬間「あれ、このシーン夢で見た……」と思ったことはないだろうか? 実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じる感覚「デジャヴ」。

「シュタインズゲート」や「ひぐらしのなく頃に」など、何度もストーリーをやり直す「デジャヴもの」は、最近のアニメ業界では定番である。それを32年前に表現したのが押井守の監督作品「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」だ。繰り返される幻惑的な世界が、白昼夢か真夏に立ち上るかげろうのような儚さを感じさせる作品である。

K.Masamiのオススメ:「シン・ゴジラ」


誰が何と言おうと、今季最大の名作映画と言えば「シン・ゴジラ」だ。異論は認めないとまでは言わないが、そう言いたくなるほどの作品だったのだ。鑑賞後、全身に鳥肌が立った。ゾワッとしてワクッとして、ニヤッとしてしまう映画だった。

かねてよりゴジラシリーズが好きな記者であるが、シン・ゴジラはこれまでのどの作品よりゴジラらしいような気がした。今の時代にとても合っていたとも言えるだろう。同作品の総監督は言わずもがなエヴァンゲリオンの庵野秀明さんであるが、庵野さんの世界観がこんなにもゴジラと調和するとは。正直驚いた。

実際に観るまで「大丈夫かな」と思っていた自分が恥ずかしい。今の日本に足りないもの、足りているものについても考えるきっかけをくれる作品だ。まだ上映している映画館もある。未見の方はぜひ自分の目で確かめてほしい。……と、もっともらしく書いてはみたが足の短いゴジラを見るだけで楽しい気持ちになれるのでオススメだぞ!

小千谷サチのオススメ:「デス・プルーフ in グラインドハウス」


クエンティン・タランティーノ監督の作品は好き嫌いが分かれがちだが、これこそ “アンチ・タランティーノ” の人々に胸を張ってオススメしたい1本(実際にオススメしても、見てくれないことが多いですが……)。タランティーノ作品特有の「無意味な会話」のシーンは長いものの、紛うことなきスリラー&アクション感を骨の髄まで堪能できるからだ

「生きろ」というのは「もののけ姫」の有名なキャッチコピーだが、本作品からもまた違った「生きろ」という叫び声が聞こえてくる。カート・ラッセルを始め登場人物全員が各場面で見せる態度が “魅力的” で、弱っているときには下手なエナジードリンクよりもずっと効く。

ちなみに筆者がこの作品を映画館で見たとき、上映後に拍手が起こったのを覚えている。そう、思わず拍手したくなるような映画なのだ。ネタバレになってしまうので、予告編抜きでぶっつけ本番で見てね!

沢井メグのオススメ:「花蓮の夏」(台湾)


好きな映画はたくさんあるが、「秋の夜長に見たいもの」と聞いてパっと思い出したのは台湾映画「花蓮の夏」だ。理由は印象的なラストだ。

3人の高校生の恋と友情を描いた本作。男子高生の“ジェンシン”と“ショウヘン”は、子供の頃からの親友同士。そこに都会から転校生の女の子“ホイジャ”が現れる。ホイジャはジェンシンのことを好きになるが、彼女の出現でジェンシンはショウヘンへの恋心を自覚する。しかし、ショウヘンが思いを寄せているのはホイジャで……というのがストーリーの軸になる。

三角関係の青春映画に終わらせないのは、恋愛感情ではないとしつつもショウヘンもジェンシンにただならぬ執着を見せていること。子供の頃、孤独から救ってくれたジェンシンを離したくないのだ。

誰が誰とどうなっても大団円にはならないなか迎えるラストシーン。是非映画でご覧いただきたいが、その解釈は見た人に委ねられているだろう。「丸投げ」のようで好き嫌いは分かれるかもしれないが、思わず自分に重ね合わせてしまうほどリアルな切なさがある。夜中に見るのにオススメ。

GO羽鳥のオススメ:「A」と「A2」


テレビを付けたら連日連夜、オウム真理教についての報道が流れていた激動の1995年。我々が見ていたのは「外側」からのオウムだが、この映画「A」と「A2」に関しては、オウム側でもなければマスコミ側でもない中立のスタンスをとりつづけた森達也監督が、オウム真理教の内部から “あの当時のオウム” を撮り続けたという大変貴重な映像だ。

悩み、葛藤する信者たち。どんなことをしてでも検挙しようとする公安。生々しすぎる光景が、すべてバッチリと収録されているのだが、きっと映画を見終えた時、「宗教とは何か」や「人生とは何か」、「法律とは何か」「報道とは何か」……などなど、様々なことを考えることになると思う。

激動すぎる1995年の「A」では様々なショックを受けること必至。そしてサリン事件の4年後のオウム真理教を追った「A2」で優しい気持ちになることだろう。ちなみに麻原彰晃の裁判などを追った「A3」は、小説として発売されている。

P.K.サンジュンのオススメ:「霊幻道士」


懐かしきキョンシーブームを巻き起こした霊幻道士。「テンテン懐かしい!」という人はちょっと待ってくれ、それは「幽幻道士」だ。誤解されがちだが、第1作の霊幻道士は「ホラー・アクション・ラブロマンス」が完璧なバランスで組み合わさった傑作映画なのだ。

残念ながらその後はコミカルなイメージになってしまったキョンシーだが、映画「霊幻道士」ではマジ単なるモンスターでしかない。呼吸を止める緊張感、女幽霊とのラブロマンス、そして伝統のワイヤーアクション。今見ても十分に楽しめるし、むしろ「良く出来ている」と感心するハズだ。

──以上である! どれもこれも記者たちが自信を持ってオススメする作品ばかりだから「何を観ようかな~」と迷っている人はぜひ参考にして欲しい。11月は祝日が多いから、休日は家でDVD三昧なんてのもいいだろう。

Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

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