・【芸術の秋】ロケットニュース24記者がオススメする「一度は観て欲しい映画」14連発!(2ページ)

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佐藤英典のオススメ:「マトリックス」1~3部

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言わずと知れた名作。この作品は、コンピュータとの戦いを描いている。人間がコンピュータの動力源として培養され、そのことを知らずに生きる多くの人々を解放するために、キアヌ・リーブス演じるトーマス・アンダーソン(ネオ)らが戦う話。

公開当時、派手なVFXが取りざたされたが、随所に散りばめられたメタファー(暗喩)を読み解くのが非常に面白かった。私は最後のシーン(エージェントスミスとの一騎打ち)の結末が非常に意義深い。

何より良いのが、ネオは最後の最後まで何もわからない普通の人で居続けたこと。最後に選択をするまで、何も理解できないけど超強いという、情けないキャラでありながら、それがまた人間らしくて面白かった。時々ムショーに観たくなる。

中澤星児のオススメ:「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」

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あなたは、日常のふとした瞬間「あれ、このシーン夢で見た……」と思ったことはないだろうか? 実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じる感覚「デジャヴ」。

「シュタインズゲート」や「ひぐらしのなく頃に」など、何度もストーリーをやり直す「デジャヴもの」は、最近のアニメ業界では定番である。それを32年前に表現したのが押井守の監督作品「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」だ。繰り返される幻惑的な世界が、白昼夢か真夏に立ち上るかげろうのような儚さを感じさせる作品である。

K.Masamiのオススメ:「シン・ゴジラ」

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誰が何と言おうと、今季最大の名作映画と言えば「シン・ゴジラ」だ。異論は認めないとまでは言わないが、そう言いたくなるほどの作品だったのだ。鑑賞後、全身に鳥肌が立った。ゾワッとしてワクッとして、ニヤッとしてしまう映画だった。

かねてよりゴジラシリーズが好きな記者であるが、シン・ゴジラはこれまでのどの作品よりゴジラらしいような気がした。今の時代にとても合っていたとも言えるだろう。同作品の総監督は言わずもがなエヴァンゲリオンの庵野秀明さんであるが、庵野さんの世界観がこんなにもゴジラと調和するとは。正直驚いた。

実際に観るまで「大丈夫かな」と思っていた自分が恥ずかしい。今の日本に足りないもの、足りているものについても考えるきっかけをくれる作品だ。まだ上映している映画館もある。未見の方はぜひ自分の目で確かめてほしい。……と、もっともらしく書いてはみたが足の短いゴジラを見るだけで楽しい気持ちになれるのでオススメだぞ!

小千谷サチのオススメ:「デス・プルーフ in グラインドハウス」

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クエンティン・タランティーノ監督の作品は好き嫌いが分かれがちだが、これこそ “アンチ・タランティーノ” の人々に胸を張ってオススメしたい1本(実際にオススメしても、見てくれないことが多いですが……)。タランティーノ作品特有の「無意味な会話」のシーンは長いものの、紛うことなきスリラー&アクション感を骨の髄まで堪能できるからだ

「生きろ」というのは「もののけ姫」の有名なキャッチコピーだが、本作品からもまた違った「生きろ」という叫び声が聞こえてくる。カート・ラッセルを始め登場人物全員が各場面で見せる態度が “魅力的” で、弱っているときには下手なエナジードリンクよりもずっと効く。

ちなみに筆者がこの作品を映画館で見たとき、上映後に拍手が起こったのを覚えている。そう、思わず拍手したくなるような映画なのだ。ネタバレになってしまうので、予告編抜きでぶっつけ本番で見てね!

沢井メグのオススメ:「花蓮の夏」(台湾)

好きな映画はたくさんあるが、「秋の夜長に見たいもの」と聞いてパっと思い出したのは台湾映画「花蓮の夏」だ。理由は印象的なラストだ。

3人の高校生の恋と友情を描いた本作。男子高生の“ジェンシン”と“ショウヘン”は、子供の頃からの親友同士。そこに都会から転校生の女の子“ホイジャ”が現れる。ホイジャはジェンシンのことを好きになるが、彼女の出現でジェンシンはショウヘンへの恋心を自覚する。しかし、ショウヘンが思いを寄せているのはホイジャで……というのがストーリーの軸になる。

三角関係の青春映画に終わらせないのは、恋愛感情ではないとしつつもショウヘンもジェンシンにただならぬ執着を見せていること。子供の頃、孤独から救ってくれたジェンシンを離したくないのだ。

誰が誰とどうなっても大団円にはならないなか迎えるラストシーン。是非映画でご覧いただきたいが、その解釈は見た人に委ねられているだろう。「丸投げ」のようで好き嫌いは分かれるかもしれないが、思わず自分に重ね合わせてしまうほどリアルな切なさがある。夜中に見るのにオススメ。

GO羽鳥のオススメ:「A」と「A2」

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テレビを付けたら連日連夜、オウム真理教についての報道が流れていた激動の1995年。我々が見ていたのは「外側」からのオウムだが、この映画「A」と「A2」に関しては、オウム側でもなければマスコミ側でもない中立のスタンスをとりつづけた森達也監督が、オウム真理教の内部から “あの当時のオウム” を撮り続けたという大変貴重な映像だ。

悩み、葛藤する信者たち。どんなことをしてでも検挙しようとする公安。生々しすぎる光景が、すべてバッチリと収録されているのだが、きっと映画を見終えた時、「宗教とは何か」や「人生とは何か」、「法律とは何か」「報道とは何か」……などなど、様々なことを考えることになると思う。

激動すぎる1995年の「A」では様々なショックを受けること必至。そしてサリン事件の4年後のオウム真理教を追った「A2」で優しい気持ちになることだろう。ちなみに麻原彰晃の裁判などを追った「A3」は、小説として発売されている。

P.K.サンジュンのオススメ:「霊幻道士」

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懐かしきキョンシーブームを巻き起こした霊幻道士。「テンテン懐かしい!」という人はちょっと待ってくれ、それは「幽幻道士」だ。誤解されがちだが、第1作の霊幻道士は「ホラー・アクション・ラブロマンス」が完璧なバランスで組み合わさった傑作映画なのだ。

残念ながらその後はコミカルなイメージになってしまったキョンシーだが、映画「霊幻道士」ではマジ単なるモンスターでしかない。呼吸を止める緊張感、女幽霊とのラブロマンス、そして伝統のワイヤーアクション。今見ても十分に楽しめるし、むしろ「良く出来ている」と感心するハズだ。

──以上である! どれもこれも記者たちが自信を持ってオススメする作品ばかりだから「何を観ようかな~」と迷っている人はぜひ参考にして欲しい。11月は祝日が多いから、休日は家でDVD三昧なんてのもいいだろう。

Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

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