2016年6月14日、1枚の画像がTwitter 上で注目を集めた。その画像とは、ある店舗の従業員が6月20日で全員解雇になり、店舗を閉鎖するという通告を受けたというものだ。それとあわせて、賃金が2年間支払われていないというもの。
経営者と従業員の間で、何らかの問題が起きているらしい。それにしても、2年間も賃金未払いなら、どうやってこの2年を過ごしてきたのか? 気になったので、問題の店舗を調べてお店に伺ってみた。従業員側に話を聞いたところ、6月17日、つまり本日店から退去するように通告されているという。このお店はどうなってしまうのか?
・池袋、大塚、巣鴨、駒込で5店舗展開するインドレストラン
調べたところ、問題になっているのは、東京・池袋を中心に5店舗展開しているインドレストラン「シャンティ(Shanti)」だった。このお店の大塚店の店内に、救済を求める貼り紙が貼られているらしい。
・貼り紙の番号へ
実際に行ってみると、店内のアチコチにその貼り紙が貼られていた。こんなものを貼って、経営者は黙っているのだろうか? 私(佐藤)はその場で話を聞こうと思ったのだが、その時お店にいた3人の従業員は、日本語が堪能ではなかった。貼り紙にある電話番号に電話して欲しいとのことだったので、一度店を出た後で、その電話番号のひとつに電話した。
・代理人が労基や役所へ
すると、5店舗の従業員(15人)をサポートしているバングラディシュ人男性が、話をしてくれるというので、その日の夜、再びお店へ行くことに。彼らの代理人の男性は、日本語を話せない彼ら従業員に変わって、労働基準監督署や役所に掛け合いに行っているとのことだった。
・そもそも契約はどうなっていたのか?
事の発端、そもそも彼らの労働契約がどのようなものなのか、現段階(2016年6月17日)ではわからないので、彼らが現在置かれている状況についてだけ、要約してお伝えしよう。
■5月末からの顛末(シャンティ従業員の証言より)
・5月24日に、経営者がお店に来て6月20日をもって閉店する旨を伝えられた
・6月17日に、お店を退去するように通知されている
・これに従わない場合は、民事・刑事の責任が発生する可能性があると言われている
・これまでに未払いの賃金・残業代があり、従業員はその支払いを求めている
・お店で寝泊まりしている従業員もいるので、店が閉まるとその従業員は家を失うことになる
・6月20日までに話し合いの場を持つことを、従業員は求めている
・しかし経営者との連絡は一切取れない
・2年間給料ゼロではなかった
私が気になっていた「2年間どうやって暮らしてきたのか」ということについては、給料は満額は払われていなかったようだが、寮費・食費を差し引いた賃金は支払われていたようである。
・経営者にアポをとろうにも……
このような状況に陥ったのは、ある日突然のことではないはずだ。そう思い、私は経営者の連絡先を調べ、電話・メールにて問い合わせを行った。しかし電話は1コールした後に「おかけになった電話をお呼びしましたが、お出になりません」、と言うコールを繰り返して切れた。
ちなみにメールは返信がない。さらに、ホームページに掲載されていた運営会社と思われる住所を訪ねたが、そこは駒込の店舗だった。会社の電話番号を電話番号案内で尋ねても登録がない。メールの返信を待つよりほか、手はないのか……。
なぜ経営者は閉店の決断をしたのか。何か具体的な理由がなければ、5つの店舗を一気に閉店しようと思わないはず。そこが聞きたい。経営者に聞いてみたい!! 一体全体、経営者と従業員の間で、何があったのだろうか……?
・ホームページに閉店のしらせ
そうこうしている間に、6月16日までは閲覧できていたホームページに、こんな文言が記されている。
「シャンティは全店閉店いたしました。長い間のご愛顧ありがとうございました」
6月20日、本当に全店舗は閉店してしまうことになるのか? なお、独自に入手した経営者からの通告書と、従業員の要求書を法律の観点から見たらどうなるのか? このことについて追って報告したいと思う。
参照元:シャンティホームページ、Twitter @support4shanti
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
▼いきなり閉店の挨拶。2016年6月16日まで、店舗の案内やメニューを見ることができたのだが……