今回のテーマは歴史。そう聞くと反射的に「難しそう……」と尻込みしてしまう人がいるかもしれないが、ご安心を。これからご紹介するのは、多くの人が楽しめる話題、 “写真” だ!
技術が発達した昨今、古い白黒写真に色を付け、鮮やかなカラー写真として蘇らせることは不可能ではないようだ。なので、日本の武士からフィリピンの歴史、アインシュタインやダーウィン、若きメタリカ、ヘプバーンなどのカラー化した貴重な白黒写真がたくさんあるんだぞ!!
・『ローマの休日』でアカデミー賞を受賞したヘプバーン
この世には、古い白黒写真に美しく色付けを施すアーティストが存在する。例えばデンマークのマッズ・マッドセンさんは、「オスカー像を掲げたオードリー・ヘプバーン」の写真に色を付けた。
1953年に映画『ローマの休日』で、ヘプバーンがアカデミー主演女優賞を受賞したときの白黒写真。それがカラーになると……嗚呼、美しい! 白黒の写真とはちょっと違った温かい笑顔に、柔らかいクリーム色のドレス。髪型も素敵だなあ!!
・違いがよく分かる「武士」の写真&ちょっと怖いドナルドの写真
一方、白黒写真をカラーにする専門集団 Dynamichrome が色を付けたのが、1881年撮影の「日本の武士」の写真。この作品は、半分が白黒、半分がカラーになっているので、比べてみると色付けの細かさがとてもよく分かる。白黒ではよく見えなかった写真の細部に、目が吸い寄せられるのだ。
同じく Dynamichrome の作品でビックリなのが、1960年に撮影されたマクドナルドのドナルド! うわ~、昔ってこんなにも恐ろしかったの!? とビックリしてしまう見た目のドナルドが、カラーになっているぞ! 白黒もカラーも、どっちも迫力があるなあ……。
・フィリピンの歴史をカラー化
そしてフィリピンの白黒写真を、色彩豊かな風景に変えてしまうのが ES・シソンさん。彼は、2時間〜3日かけてカラー化した白黒写真を Facebook にて公開しているのだが、そこには興味深い20世紀初頭のフィリピンの風景が広がっている。
1900年あたりに撮られた1枚の写真には、アメリカ人、中国人、フィリピン人が一緒に写っているのだが、そこには現代では味わえないような雰囲気が流れているのだった。
私(筆者)は、写真に色が付くと、写っている人々がほんの少しだけ近くなったような気がするのだが、あなたはどうだろう?
上記で挙げた以外にも、数多の歴史の一幕がカラー写真として蘇っている。興味のある人は、それぞれの Facebook や公式サイトなどをチェックしてみてほしい。
参照元:Coconuts Manila、Dynamichrome、Colorized History、Facebook [1][2][3][4](英語)
執筆:小千谷サチ
▼笑うアルベルト・アインシュタイン
▼こちらもアインシュタイン。肌の色がキレイだね
▼若き日のスティーブ・ジョブズの白黒写真に、Dynamichrome が色をつけた
▼“進化論の父” として知られる、チャールズ・ダーウィン
▼若き日のメタリカもカラーに
▼1961年、エジプトで撮られたルイ・アームストロング
▼明治時代の「弓道家」の写真。白黒とカラーを見比べてみて
▼1865年。シク教の伝統的な軍隊「ニーハン」のボディガード
▼フィリピンの伝統のドレスを着る女学生たち。20世紀初めに撮られたもの
▼20世紀初頭のフィリピンの街の風景
▼フィリピン、マニラの海での1枚。撮影日時は不明