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ここは台湾最南部の都市・高雄。中心部から地下鉄で郊外の橋頭糖廠へ。駅から出た瞬間、周りに草木が生い茂り、虫取り網を担いだ子供が走り去っていった。町の中心部からそれほど離れていないはずだが、近くにあるのは平屋か2階建ての建物ばかり。場末感が半端ない。

駅近くには日本植民地時代の広大な製糖工場跡が「台湾糖業博物館」として公開されており、そちらが観光のメインなのだが、今回は諸事情で1時間ほどしか滞在できないため残念ながらパス。ここまで来たのはその「台湾糖業博物館」の向かいにあるキワモノ施設「捜奇博物館」が目当てだった。

捜奇博物館とは何かというと、早い話が「見世物小屋」。なんでも日本で発見された河童のミイラを展示しているそうだが、実はここ、高雄のほかにも台北や台中など台湾全土に四カ所チェーン展開しており、展示物はどれもほぼ一緒らしい。てことは、河童のミイラが少なくとも4体あることになるが、河童って、そんな簡単に見つかるもんだっけ?

・気のいいもぎりのおばさん

私、台湾には何度も来たが、捜奇博物館は今回が初体験。土くさい坂道をしばらく歩くと、歴史の重みをひしと感じる「台湾糖業博物館」の重厚な門の前に、スパイダーマンやグレムリン、ETの毒々しいセメント像が並んでいた。

なんつーか、向かいの営業妨害になってないか心配だが、恐る恐る建物に近づくと「信不信由你(信じるか信じないかはあなた次第)」という大きな看板の下、玄関の両脇に兵馬俑。中に入るとよく喋るオウムの横でチケットを売るおばさんから、生きた大蛇を首に巻かないか? と何度か勧められた。

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中は入り組んでおり、貞操帯や珍しい生き物の剥製?などの珍奇なコレクションに始まって、世界びっくり人間の肖像画、犯罪者気分で記念写真が撮れる体験コーナー、世界の珍しい爬虫類・両生類を集めた生き物コーナーなど、大雑把に分かれている。ただ全体の規模は小さく、全てまじまじ見たとしても30分あれば充分だ。

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・河童のミイラに宇宙人。信じる者は救われる

奥に進むと、この博物館の名物である「日本河童のミイラ」の入ったガラスケースが現れた。気温30度・湿度80%・空調いっさいなしという、ミイラには最悪のコンディションの中、まるで木彫りのようにコチコチのミイラが横たわっていた。

なんでも静岡県で発見された1400年前の河童で、日本の国立科学院が調査したところ、下半身が魚で髪の毛もフサフサだったらしく、当時、聖徳太子が琵琶湖のほとりで目撃したという伝説もあるらしい。うーん。知らなかったわ……。

さらに奥には宇宙人の模型が多数、ガラスケースに収められていた。こちらは適当なストーリーが思いつかなかったのか、解説すら一切なしという乱暴な仕様。流石に立ち止まって見物する人は誰もいない。

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さて、この博物館の名前「信不信由你」とはまさに「ビリーブ・イット・オア・ノット」。アメリカには同名の巨大キワモノ博物館群を世界展開する「リプリーズ」という会社があるが、リプリーズの公式サイトを見ても、タイのパタヤはじめ、韓国やマレーシア、インドなどに拠点はあれど、台湾に進出した記述はなく、施設の規模もディズニーランドと花やしきほどの差がある。

無関係ならそれでもいいんだけど、中のパネルに幾つか、ほんとうに幾つか、思いっきりリプリーズのロゴが入ったままのものがあったので気になった。ま、このさい細かいことはどうでもいいか……。

・今回ご紹介した店の詳細データ

店名 高雄橋頭搜奇館
住所 高雄県橋頭郷興糖路3

Report : クーロン黒沢
Photo : Rocketnews24.

▼いやあ、怪しい!
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▼接客上手なオウム
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▼ものものしい展示コーナーがありました
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▼ニッコリ笑顔で重傷害
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▼強姦犯のおばさん。これ撮影見本ですよ!
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▼おっ、これは九份のお面博物館にあったもの!
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▼人形かと思いきや生きてた
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▼デターッ! 日本カッパ!
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▼なんじゃこりゃ……
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