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私(佐藤)は今年で42歳。「四十にして惑わず」と孔子は言ったのだが、40歳を過ぎても不惑の境地からはほど遠く、日々迷い日々惑わされ、いくら歳を重ねても大人になった気持ちになれない。迷いが深くなると私は決まってオヤジたちの酒場へと足を運ぶ。

オヤジたちの会話とおいしい肴をつまみに酒を飲み、また明日もがんばろう! と自らを奮い立たせるのだ。そんなオヤジたちが舌鼓を打つお店を紹介するのが、この「オヤジのグルメ」である。初回はサラリーマンを癒す街、東京・神田で古くから親しまれている居酒屋「浜貞」である。

・下戸のすすめる居酒屋

このお店を推奨しているのは、当編集部のなかの氏である。彼がここを推奨するのはかなり意外なことだ。というのも、彼は一切お酒を飲めないのに、その昔、ここに足を運んでいたそうである。下戸の彼が通っていたのには理由があった。

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・昭和の雰囲気

「佐藤さん、きっと好きな店ですよ」と勧められるままにお店にたどり着くと、まず店構えからして私好み。昭和の佇まいがあり、どう見てもオヤジたちがたむろしている雰囲気がアリアリだ。扉を開けると想像通り、オヤジさんたちで満員である。幸いカウンター2席が空いており、私たちはそこにかけた。

・女将と大将のコントラスト

愛想の良い女将さんは、客からお酒を勧められて、愛想よく冗談を言う。大将は女将さんと対照的に、無口でひたすらオーダーをこなしていく。女将さんと大将のコントラスト、強烈な存在の対比がまた心憎い、グッとくる。ふたりの働きぶりを見ているだけでも酒がすすみそうだ。

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・鮨屋でも食えないようなマグロ

何より酒をすすめるのが、ここの看板メニューでもある活魚料理。特にマグロ刺身のウマさは多少の鮨屋では太刀打ちできないレベルではないだろうか。熟成した赤身は、口のなかに入れるととろけるような食感。ワサビをしっかりとつけて、その身の甘さを存分に楽しみたいところである。

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・熟れたマグロのように

後ろの方のテーブル席に耳を傾けると、年配の4人連れが仕事について熱く語っていた。詳しい内容はわからないのだが、お互いが対等に意見をぶつけ合っている。何かが正しい、何かが間違っている、物事の正否よりもこうして、この歳になっても意見をぶつけ合える相手がいることを、うらやましく思った。いつくになっても、対等に意見を交わせる相手を持ちたい。熟れたマグロをつまみながら、そう思った。

・今回紹介した店舗の情報

店名 浜貞
住所 東京都千代田区内神田3丁目21−8
営業時間 15:30~23:00
定休日 日曜日

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24.

▼この日のつきだし
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▼味の濃いポテトサラダ
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▼マグロの刺身
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▼カツオ
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▼ホタルイカ
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▼ノドグロ
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▼雰囲気でついつい飲んでしまう
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