2014年5月28日、東京・歌舞伎町で40年もの長きにわたって営業し続けてきた、ある喫茶店が閉店した。そのお店「珈琲貴族Edinburgh(エジンバラ)」は、店舗を構えるビルの解体に伴い、お店の歴史に幕を下ろしたのである。その時の閉店のお知らせにはこうあった。
「またどこかで会いましょう!」、この言葉はただのあいさつではなかった。また会える日が本当に来たのである。お店とのお別れを寂しく思っていた人も多いはず。あのエジンバラが場所を移して再び営業を開始していたのだ。店構えは随分変わったのだが、そこで取り交わされる会話は、大変温かく、心和むものがある。
・マルイアネックスの正面
以前は、歌舞伎町の新宿区役所前交差点からほど近いところにあった。外観からして歴史を感じさせるたたずまいで、純喫茶としての威厳に満ちていた。新たな店舗は新宿通り沿いのマルイアネックスの正面にあるファミリーマートの2階である。前の店から徒歩で5分程度の場所だ。
・あの看板の文字
再開するとの噂を聞いていたのだが、私(佐藤)はその日がいつのことなのかまったく知らなかった。たまたま店前を通りかかったときに、あの見慣れた字体の「Edinburgh」を発見し、思わず店に飛び込んだのである。
・さすがに雰囲気は真新しい
前と同じ雰囲気、そう言いたいところなのだが、さすがに40年の歴史には遠く及ばない。しかも再開したのが昨日というから、新店の歴史はたったの1日である。どう頑張っても、以前のような風格はなかなか出てこない。しかしそこで交わされている会話は、たしかにあのエジンバラのものだった。
・温かい会話
あるスタッフが以前から通いつめていた常連に話す、「毎日皆さんがどうしているか、気になっていたんですよ」。またあるスタッフは、「これから少しずつ以前のようにしていきますから」。最近心わずらうニュースが飛び交うなかで、なんて温かい言葉なんだろうか。店構えは変わっても、そこにいる人たちは何も変わっていないと実感した。
・ブレンドはお預け
ちなみに私が訪れた日は、まだガスが通っていなかったそうである。したがって、おいしいブレンドを飲むことができなかったのだが、エスプレッソマシンは稼動していたので、ウインナコーヒーを飲むことにした。1日も早く店を再開したい、その思いが強すぎて、ガスの開通が間に合わなかったのかもしれない。ブレンドコーヒーはまた次回の楽しみになってしまったのだが、それでも再開してくれたことが何より嬉しい。
・プレオープンで急なお休みも
ちなみに現在はプレオープンの状態なので、日によっては店内設備の調整のために、急きょ休むこともあるかもしれないそうだ。今年でちょうど40年、ここからエジンバラは新しい歴史を紡ぐことになりそうだ。また、おいしいコーヒーを飲みに行こう。
・今回紹介した店舗の情報
店名:珈琲貴族Edinburgh(エジンバラ)
住所:東京都新宿区新宿3-2-4 新宿M&Eスクエアビル 2F
営業時間:24時間
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
▼新たな場所で営業を再開した「珈琲貴族エジンバラ」
▼真新しい店内がどこか馴染まないが、これからその歴史を紡いでいくことになるだろう
▼この日はまだガスが通っていなかったので、ブレンドはお預け。ウインナコーヒーを飲むことに