実は3回目のアタックだった。──さかのぼること数年前。まだ喫煙者だった僕は、会社近くにある喫茶店『珈琲貴族エジンバラ』でお茶をしていた。目的はズバリ、「タバコが吸えるから」だった。これが1回目。

2回目は禁煙中の数年前。チョコパフェ目的で同店に行ったもののほぼ満席で、通された席は喫煙エリアのすぐ近く。結局、煙に耐えられず退散した。とはいえ、法で定められた「喫煙目的店」なのだから致し方ない。

そして3回目は数日前。時刻は午前。開店間もない時間であれば、喫煙席から最も距離の離れた入り口近くの禁煙席が空いているだろう……との打算だった。かくして、その作戦は大成功。清い空気の中、注文したのは……

ひとつ1200円のチョコレートパフェだ。


この見事な造形美。なんというか、カーニバル。そう、このパフェはリオのカーニバルばりの華やかさに満ちている。もしも女性に例えるならば、羽根や冠など、ド派手な衣装に身を包んだサンビスタといったところか。

なかでもとりわけ目を引くのが、ニョキっと生えたツノみたいな部分であるが、舞台裏を見ると……

バナナであった。

実はこのニョキッが数年前から気になっていたので(←もっと他に気にすることないのか)、謎が解けてスッキリである。

それはさておき、パフェとしては実にど真ん中のストレート。バナナにクリームにコーンフレークと、ド定番のダンサーたちがパフェグラスの中で踊っているが、軸となるのは白いバニラのアイスクリームだ。

中には「みかん」という “和製サンビスタ” も混じっているが、やはり主役はアイスかな……と思いきや、下の方でバナナ再び。それも、溶けたバニラアイスとチョコレートでドッロドロにに濡れたバナナである。

それはそれは色っぽく、僕は “熱愛” を感じていた。前から気になっていた「ニョキッ」のバナナ。華やかな部分の裏側に、その子、バナナは佇(たたず)んでいた。一緒に踊った。サンバのリズムで。そして……

グラスの奥底にも彼女はいた。チョコレートの雨でずぶ濡れになったバナナとの再会で、一気に愛が爆発した。さすがは情熱の国のサンビスタ。なんびとたりとも、このパフェ欲を止めることはできない。そこからは、もう──。

ペロリとパフェをたいらげると、余韻はサンバというより、もっと情緒的なボサノヴァだった。3回目のアタックで、やっと出会えた気になるバナナ。恋の花咲く3回目。ここは新宿三丁目。愛のパフェ出すエジンバラ。


・今回訪問した店舗の情報

店名 珈琲貴族エジンバラTwitterInstagram
住所 東京都新宿区新宿3-2-4 新宿M&Eスクエアビル2階
営業時間 当面の間 AM6:00〜PM21:00
定休日 なし

執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24