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ネコの毛色&柄は実に多種多様。「どんなネコだって大好き!」という方も多いと思うが、実は他の色のネコに比べて、黒ネコは保護施設から引き取られにくい傾向にあるということが、『英国王立動物虐待防止協会』(以下、RSPCA)によって発表されたのだ。

保護しているネコの70%が黒もしくは、黒白の柄であり、黒ネコの譲渡率の低さに直面する同団体。その背景には、「黒ネコは、他の色のネコより見過ごされやすい」、「黒い動物は写真写りがあまり良くないので、ネットを使った里親探しでも目立ちにくい」といった理由が挙げられるようだが、この問題は、以前から多くの保護団体が頭を悩ませてきたことでもあるのだ。

・あの手この手をつくす各団体
しかし、保護団体はただ手をこまねいているわけではない! 黒ネコの新しい家族を探すために、「ブランケットや首輪の色を明るくして、より多くの人の目に留まるようにする」、「人間に慣れさせて、里親がつきやすくする」などと、あの手この手の工夫を尽くしているのである。

里親さんのなかにも「黒ネコは選ばれにくいから……」と、あえて黒ネコを志願する人もいるのだとか。

・里親料を下げる

米ワシントンの「Bonnie L. Hays Small Animal Shelter」は、期間限定で、黒ネコ譲渡の手数料を下げる方法を試してみたところ、いつもの3倍の里親さんが見つかったということだ。

お金だけを考えてネコを選ぶ人が出てくるんじゃないか……と少し心配になってしまうが、団体も彼らの基準にかなう人々だけを里親として選出しているそうなのでご安心を。このように期間限定のキャンペーンは、他の団体でも広く行われているという。

・「8月17日 黒ネコ感謝の日」&「黒ネコ専門の保護団体」

また、毎年8月17日を「黒ネコ感謝の日(Black Cat Appreciation Day)」として、ネット上で「いかに黒ネコが素晴らしいか」を披露しあい、啓発するイベントが行われている。2014年分のFacebookページもすでに立てられており、たくさんの投稿でにぎわっているようだ。

さらに、米マサチューセッツには黒ネコ専門の保護団体「Black Cat Rescue」も存在しているのだ。これらもやはり、黒ネコの里親を増やすための試みなのである。

・「黒ネコを飼うべき13の理由」

一方の米「Pets Unlimited」は、“黒ネコを飼うべき13の理由” なるものを発表しては、黒ネコの素敵さをアピール。譲渡数の増加を目指している。以下が、リストからの抜粋だ。

「黒ネコはあなたの髪の毛の色なんか、気にしない!」
「かくれんぼの達人!」
「ハロウィンパーティで大人気」
「実は、保護施設であまり人気がない黒ネコ……。あなたの愛を一番に欲している!」

黒ネコの良さをよく知っている人にとって、このような状況はとても悲しく、歯痒いもの。しかし悲しんでいるだけでなく、少しでも状況を改善しようと実際に行動を起こす人々が世界には大勢いるのは何とも心強く、勇気づけられることである。

最後に、「黒ネコ感謝の日」のFacebookページに寄せられた写真をご覧いただきたいと思う。写真写りが悪いと言われているようだが、そんなこと全くないのである。

参照元:RSPCAThe OregonianFacebook(英語)
執筆:小千谷サチ

▼「黒ネコ感謝の日」のFacebookページに寄せられた写真だ。おすまし顔の黒ニャンコ

▼眠い~

▼たくさんの子猫の里親さん募集!

▼もちろん飲まないよ!

▼やっぱり仰向けって気持ちいい……

▼眼力!

▼バルナバスちゃん

▼僕、黒ネコじゃないかもしれないけど……、イベントに参加!

▼ニャンダこれ?

▼黒ネコがいっぱい

▼最高のパートナーだ! by 飼い主

▼まだヨチヨチ歩き

▼お母ちゃんのオッパイ飲んでるとこ

▼僕も8/17が誕生日だよ!

▼自慢のオッドアイ

▼6年前に17歳でこの世を去った私の愛しのブーブーベア

▼私の名前はネルソン・ギズモ

▼1961年 ハリウッドで行われた黒ネコのオーディション時の光景

▼子猫のころのトミー

▼クシャミが出そうなの?

▼ZZZ

▼ペロリ

▼お客さ~ん

▼バランス感覚イイネ!

▼にゃ~~~!

▼リラックスしすぎ?

▼こっそり

▼キレイなオメメ

▼メガネ似合ってる?

▼飼い主さんと一緒だから安心

▼パッチリおめめ

▼美ネコ兄弟