日本一の料理、そして世界一の料理……については聞いたことがあるが、「宇宙一」の料理に関しては、あまり聞いたことがないのでは? なぜならば、その答えを知っているのは宇宙にいる人しかいないからだ。果たして宇宙一のメニューとは何なのか。一体誰に聞けばいいんだ……と思ったら!

現在、国際宇宙ステーションに滞在中の宇宙飛行士・星出彰彦さん(43)が教えてくれたのである。それも福島県に住む小学生の質問に答えるかたちで、宇宙から交信しながら教えてくれたのである!

・宇宙と茨城と鹿児島で交信!
去る7月19日、茨城県つくば市にあるJAXA(宇宙航空研究開発機構)の筑波宇宙センターと、鹿児島県の種子島にある種子島宇宙センター、そして宇宙にある国際宇宙ステーション(ISS)の3箇所を結んで交信するイベントが開催された。

このイベントは日産の人気ミニバン「セレナ」が提唱する「こども みらい セレナ」のコンセプトを具体化し、日産自動車とJAXAが2011年にも実施した「星にねがいを!」プロジェクトの一環であり、子どもたちが七夕のたんざくに書いた願いを宇宙飛行士が読みあげてくれる「宇宙たんざく」の流れをくむもの。

交信イベントに招かれたのは、社団法人 福島青年会議所より紹介された福島県に住む3人の小学生だ。宇宙空間との交信が始まると、星出さんは筑波宇宙センターに集まった3人の短冊を国際宇宙ステーション内から読み上げ、限られた時間のなかで子どもたちからの質問にも丁寧に対応していた。

・宇宙での食事で人気ナンバーワンのメニューとは?
そのなかでも特に興味深い質問をしていたのが、福岡県伊達市に住む長沢想さん(11)からの質問「宇宙での食事で人気ナンバーワンのメニューは何ですか?」である。この質問に対し、星出さんは「良い質問ですね~」と答えたのち、その真相を明らかにした。星出さんによると……

「以前まではプリプリしていて、やや辛めな『エビチリ』が一番人気でした。しかし現在はロシア料理にヨーロッパ料理に……とバラエティに富んだメニューが600~800種類あるため、なかなかこれが一番ってのは決められないですね」

とのこと! ということで、宇宙一メニューのディフェンディング・チャンピオンは中華料理の『エビチリ』である。さすがは世界三大料理のひとつ中華料理。しかし今後は、新たな宇宙一メニューが決まっていくことだろう。フランス料理か、それともトルコ料理か。我らが日本食の実力にも期待したい。

・最後は方言で「がんばっぺ!」
なお、どうイベントの最後には、宇宙から日本にエールをおくる星出さんにお返しする意味で、種子島宇宙センターからは鹿児島弁で「がんばれ!」の意味「きばれ!」の声が。そして、筑波宇宙センターからは、集まった小学生3人の居住地である福島弁で「がんばっぺ!」の声が国際宇宙ステーションに届けられた。日本から送られた声が宇宙空間に届くまでにかかった時間は約10秒。これだけ通信技術が進歩していても、やはり宇宙までは遠いのである。

写真:ロケットニュース24
参考リンク:日産自動車「星にねがいを!」プロジェクト

▼宇宙との交信の前には、21日に発射されたH-IIBロケット3号機の学習会も

▼子どもたちは筑波宇宙センター内も見学

▼左から佐藤聖真君、斎藤大雅君、長沢想さん

▼観覧席の子どもたちからも質問が飛び出した

▼そしてなごやかに交信開始

▼星出さんのマイクは無重力でフワフワ。PCには3人のたんざくが!

▼地球から宇宙へ「がんばっぺ!」。星出さんの退場シーンにも注目!