大阪府教育委員会は、滋賀県大津市のいじめ問題を受け、問題を起こす生徒に対して「出席停止制度」を積極的に適用することを検討していることが明らかになった。この制度は、高校や大学で校則違反の生徒に適用する「停学」に値するもので、ネットユーザーからは賛否の声が上がっている。

大阪府教委の意向が明るみになった2012年7月20日、元陸上選手の為末大氏がTwitterでいじめ問題について提言しているのだ。彼は撲滅というやり方をとっても、問題の根源を絶つことはできず、いずれ違う形で問題が起こりうることを指摘している。

為末氏は7月20日のTwitter連続投稿で、次のように口火を切った。

「いじめなど、何か社会に問題が起きた時に、よく撲滅しようという方向に動いたりするけれど、どんな問題もそれなりの理由があって存在している。だから表面に出てきている問題だけを仮に撲滅したとしても、その原因がまた別の形で問題化するし、そもそも撲滅という方向はとても難しい」(Twitterより引用)

そして「本当に問題を解決するには撲滅ではなくてマネジメントだと思う」、「人の行動にもっとも影響を与えるのがシステムだと思っている」(Twitterより引用)と人を取り巻く環境が、行動に影響を与えており、システムを見直すことから始めなければ問題の本質は解決に導かれないとしている。

また「大人が”いい子”を求めれば求めるほど、いじめは起きる」と語っている。いじめという問題を結果だけ見て判断し、排除しようとしてもいずれ問題は起きる。「出席停止制度」のように、問題を起こす生徒を切り離す考え方は、もしかしたら本質的な解決から遠ざかる道なのかもしれない。

記者(私)は為末氏の以下の言葉が、「出席停止制度」の実像を見事に言いえているように思うのだが、皆さんはどのように思われるのだろうか。

「残念ながら悪が生まれるべき理由は正義の味方自身の中にもある。自分の中にある悪に気付かない正義の味方が立てた作戦はいつも美しく、そして現実離れしている」(Twitterより引用)

執筆:フードクイーン・佐藤
参照元:Twitter @daijapan