人間、生きていくにはどうしたってお金がかかるもの。毎日どこかしらで何かを買い、お金を払っている。最近は電子マネーやクレジットカードで会計をすることも増えたが、それでも現金で支払う機会はまだまだ多いのだ。今回は、現金での会計でよく出くわすシーンについて考えてみたい。

例えばレジで「630円です」と言われたとする。その際に1130円を出して、お釣りを500円玉でもらうという行為についてあなたはどう思うだろうか? そもそも、そういったことを日常的にするだろうか? 店員はどう思っているのだろうか? なんかもう、いろいろ気になるんですけどーッ!

・会計のパターン

前提として、「630円の会計で1130円を出す」という行為の意味は伝わっているのか。まずはそこから話を始めたい。会計が630円で、あなたの財布には1130円入っているとする。ここで考えられる一般的な支払いパターンは以下の通りである。

・パターン① 1000円出す → 370円のお釣り(100円玉×3、50円玉×1、10円玉×2)
・パターン② 1030円出す → 400円のお釣り(100円玉×4)

おそらく多くの人がパターン②を選択するはず。1030円を出して、400円のお釣りをもらうというものだ。たしかに、パターン①と比べるとお釣りの硬貨の枚数も少なくて済むし、100円玉はあって困るものではない。まあ無難だな。しかし、もっといい方法があるではないか。

・お釣りを減らしたい

そう、パターン②に100円をプラスして1130円にすれば、「1130円-630円」で500円玉が戻ってくるのだ。500円玉が! 1枚だけ!! ねえ、正直この方がよくない? なにせ財布における500円玉の頼もしさは異常である。さらに財布も軽くもなっちゃうのだ。ほら、この方が絶対いいだろうがよ!

・普通の行為なのか否か

これはなにも500円玉に限った話ではない。例えば680円の会計で730円を出し、50円玉のお釣りをもらう。68円の会計で73円を出し、5円玉のお釣りをもらう。こんな具合に、自分の財布を軽くする選択肢は数多くあるのだ。ただ、時々自分でもこういう行動って変なのか? と思ったりもしてしまう。

店員に「なにを財布軽くしようとしとんねん」と思われているのでは? という謎の被害妄想だ。そのへん、実際のところどうなのよ? どう思ってるのよ? 教えて店員さぁーーーーーん! というわけで、レジ経験者であるSさんに話を聞いてみることにした。

・店員はどう思っているのか?

「ぶっちゃけ、こういう風にお釣りを500円玉や50円玉にしようとしてくるお客さんはいるんですか?」

Sさん「いますいます! メッチャいますよ!! 全然珍しいことではないですね。500円玉とか50円玉だけではなく、少しでもお釣りの硬貨の枚数を減らそうとするお客様は多いですよ」

「なんだ、けっこうみんなやってんじゃ~ん。でも、店員側からするとそういう客ってどうなんですか? ウザイ?」

Sさん「そうですねぇ……。」

「すいませんでしたッ! 命だけは! どうか命だけはァァァアア!!」

Sさん「まだ何も言っとらんでしょうが。私が使っていたレジは自動ではなく、お釣りを手動で取り出してお渡しするタイプでした。なのでその立場からの意見になりますが……そういうお客様の方が圧倒的に楽です

「マジかよ! それは予想外でした。でもなぜ?」

Sさん「理由は単純ですよ。渡す硬貨の枚数が少なくて済むからです。これによりレジミスも減りますしね。お釣りの硬貨の枚数が増えると、ミスする可能性も高まりますから。ここ非常に大事です」

「なるほど~。なんだか自分が小さい人間みたいで、店員さんの目も気になっていたのですが、全然気にする必要はなかったんですね」

Sさん「なんなら、そういう払われ方をするとこっちの方が緊張します。暗算が追い付かなくて『なぜにこんな払い方?』と思いレジに金額を入れると、おお! みたいな(笑)。これ、店員あるあるかも」

「ああ、たしかに暗算が苦手な人はこうやって払わないかもしれませんね」

Sさん「個人的には大歓迎です。まあ、500円玉が切れていたらサーセンって全部100円で返すんですけど」

──以上である。あくまでSさんの個人的な意見ではあるが、店員さんは「630円の会計で1130円を出す」という行為について、むしろ好意的な感情を持っていることが明らかになった。こっちも助かるし向こうも助かる。最高やん! ということで、これからも安心してやっていこうと思います。よろしくお願いします。

Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.