日本でも絶大な人気を誇る米ロックバンド、リンキン・パークのボーカル、チェスター・ベニントン。彼は2017年7月20日にこの世を去り、数日経った今でもなお、世界中のファンが悲しみに暮れている。

そんななか、リンキン・パークがバンドとして、チェスターの自殺後に初となるメッセージを公開。最良の友を失くしたバンドメンバーの別れの言葉を紹介したいと思う。

・リンキン・パークがチェスターへのメッセージを公開

7月24日、バンドが公式サイトに掲載したチェスターへのメッセージの全訳が以下になる。

「親愛なるチェスターへ
俺達の心は壊れてしまった。起こったことを受け入れようとしているが、今でも、(君を失ったことを)否定したい気持ちと悲しみの衝撃が押し寄せている。

君が思う以上に、君は多くの人の心に触れていたよ。ここ数日、世界中のファンと身内から多大なるサポートと愛を受け取っている。タリンダ(チェスターの妻)と家族は心から感謝しているし、君が最高の夫、そして息子・父親であり、君なしで家族は完全ではないことを世界に知ってほしいと思っている。

これから何年も先のことについて君と語り合ったこと、そして君の熱意は周りにも伝わっていたよ。君の不在が、埋めることの出来ない喪失感を残してしまう。君の勢いやユーモア、野心と創造性、君の優しさと部屋に響く温かい言葉がないから……。

俺達から君を奪い去った悪魔と、いつも向き合わなければならないと言い聞かせようとしている。そもそも結局のところは、悪魔について歌う君にファンが夢中になったんだ。恐れることなく、悪魔について表現することで俺達を一つにして、より人間らしくいることを教えてくれた。君はとてつもなく大きな心を持っていたから、心の内を隠さずに見せていたんだね。

音楽を作り演奏することに対する俺達の愛は、決して消えることはない。これからバンドが進むべき道は分からないが、君のおかげで俺達の人生がより良いものになったことは確かだ。その贈り物に感謝している。心から君を愛しているし、寂しくて仕方がない。

再び君に会うまで。

リンキン・パーク」

と綴られている。

・チェスターが心に抱える悪魔とは!?

バンドのメッセージに登場する ‟悪魔” とは、チェスターが長年抱えていたアルコール・ドラッグ依存症の問題と鬱(うつ)、子供時代に受けていた性的虐待のことだと思われる。バンドの代表曲『Numb』の中でも歌われているが、チェスターは自分の心の闇をオープンに歌うことで、同じ問題を抱える人々を支えようとしていたのではないだろうか。

彼ほどの才能とカリスマ性を兼ね備えたシンガーは、そう現れるものではない。世界中のファンが、チェスターが歌に込めたメッセージに共感し励まされていただけに、あまりにも早すぎる死が残念でならない。彼の冥福を心よりお祈りしたいと思う。

参照元:Linkin Park(英語)
執筆:Nekolas

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