ビッグ4といえば、大抵の人はスラッシュメタルビッグ4を思い浮かべるはずだ。言うまでもなく、アンスラックス・スレイヤー・メガデス・メタリカの4バンドを指す訳だが、そのうちのひとつ、世界的に活躍する「メタリカ」がなんとビールを出していることが判明した。

これは飲むしかない! 飲まないと “許されざる者”(Unforgiven)になっちまう。っつうことで、販売している「ディスクユニオン」の御茶ノ水のお茶の水ハードロック/へヴィメタル館で購入。実際に飲んでみたら、想像以上にウマくて「“ウィップラッシュ!”(Whiplash)!」 と叫びそうになった。

・穏やかではなかった道のり

ご承知の通り、メタリカは世界でもっとも成功したバンドの1つだ。しかしその道のりは決して穏やかなものではなく、とくに現ベーシストのロバート・トゥルージロと出会うまでは、ベーシストとの縁が薄かった感は否めない。

そのトゥルージロ加入直前には、ジェイムズ・ヘットフィールドがアルコール依存症のリハビリのため施設に入ることになる。

この後にリリースされる8枚目のアルバム「St. Anger」が制作されるプロセスを撮影したドキュメンタリー映画『Some Kind of Monster(メタリカ:真実の瞬間)』は、彼らが途方もない努力を日々重ねていることを示す素晴らしい作品だ。


・ロックの殿堂入り

2009年に彼らが「ロックの殿堂」入りを果たした際、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーが行なったスピーチを覚えているだろうか。彼らを讃える内容で、秀逸なスピーチであった。

また、当日のステージに初代ベーシスト、ロン・マクガヴニーと3代目ベーシスト、ジェイソン・ニューステッド、そして交通事故で亡くなった2代目ベーシストのクリフ・バートンの両親を招いたことも、多くのロックファンの記憶に残っているだろう。

過去に在籍したメンバーの両親を招くことだけを見ても、彼らが自分たちの家族を大切に考えているのは間違いない。ファンのことを「ファミリー」と呼ぶのだって、その証のひとつではないだろうか。

うう! それにしても、あのロックの殿堂のステージは本当に素晴らしかった。かつて袂を分かったメガデスのデイブ・ムステインからも祝福の声明が出されて、ビッグ4としてツアーをやることになるとは(涙)。


おっと、前置きがビックリするくらい長くなってしまった。本題に入ろう。私(佐藤)は20歳の孤独な時期に、メタリカをめちゃくちゃ聞いていたので、つい熱くなってしまうことを許して欲しい。

・オリジナルビール

さて、このオリジナルビールはメタリカが2018年9月に作ったものである。ディスクユニオンの店舗で最近入荷していると知り、御茶ノ水の店舗に買いに行った。


レジ前の冷蔵庫にキンキンに冷えているのを購入した次第だ。1本864円(税込)。6本セットの箱が猛烈にカッコよかったので箱ごと買ってやった。


・ブラックアルバムの色

商品名は「ENTER NIGHT」。彼らの名曲の1つ「ENTER SANDMAN」から名付けられたことは言うまでもない。



開封して缶を見ると、また色合いがカッコイイ! マットなブラック、まるでブラックアルバム(METALLICA)のアルバムジャケットの色のようじゃないか。



・ビールの出来は素晴らしい

缶のうしろ側には、彼らが醸造所と共に作った証がちゃんと記されている。


グラスに開ければ、黄金色に輝くビール。実にウマそうだ。


飲んでみると、ピルスナービールらしいホップの苦味が効いている。喉ごしはスッキリとしていてさわやか。身体の奥底から、力がみなぎってくるようだ。まるで “燃料”( fuel )を注ぎこんでいるように、血のたぎるのを感じる。


真夏のカンカン照りのなかで、メタリカを爆音で聞きながらこのビールを飲んだら最高に違いない! “モーターブレス” (Motorbreath)を吐きながら、“ジャンプインザファイヤー” (Jump in the Fire )すること請け合いだ。だが、くれぐれも飲み過ぎには注意。もちろんお酒は20歳になってからだ。


ビールとしての旨さは間違いないので、ぜひとも “シークアンドデストロイ” (Seek & Destroy )してくれよな!

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼ビールの名前の由来「ENTER SANDMAN」。動画の再生回数は3億2000万回

▼「Through the Never」