2016年2月3日に通算19枚目のオリジナルアルバム『怪談 そして死とエロス』をリリースした、ロックバンド「人間椅子」。彼らの活動については、これまでも繰り返し紹介してきた。彼らの姿を見るとき、“アーティストの歩み” とはひた向きなものであり、孤独であり、なおかつ見えない道を進むようなものではないかと思う。
そうであればこそ、静かに着実にその歩みを続けてきたものには、比類なき世界観と表現の自由が許されるのではないだろうか。彼らの最新作を聞くと、そのことをまざまざと見せつけられるようだ。まぶたの裏で火花が散るような、魂を揺さぶるサウンドが心を、そして魂を掴んで離さない。それがライブとなれば、さらに……。2016年3月19日赤坂BLITZでのツアーファイナルは、まさしく鬼気迫るものがあった。