日本がゴールデンウィーク真っ只中の5月1日、世界各国では労働者の日として祝日に定められている国が多い。ヨーロッパ各国、とりわけドイツでは各地でパレードやコンサート等の行事で街中賑やかに祝われる。しかしドイツの2大都市ベルリンとハンブルグではネオナチ、反ナチスの団体がパレードやデモ行進を毎年行い、2つの団体がぶつかるのを防ぐために道路を封鎖する警官隊、機動隊が衝突し毎年何人もの怪我人が出ている。

ドイツ統一からちょうど20年を迎える今年も例外ではなく、両都市で路上に設置されたゴミ箱への放火、警官隊への投石、商店の窓ガラス破壊等の暴力行為が行われ多数怪我人が出た。

首都ベルリンで毎年一番激しい暴動が起こるクロイツベルグ地区では昼間からかなりの数の警官隊、機動隊が暴動を未然に防ぐため配備され、異様な緊張感に包まれていた。

毎年、反ナチス団体のデモ行進が終わり、日が落ちてくる頃に道路を一掃しようとする警官隊とそれに反抗する若者達の小さなぶつかりなどに端を発し、いつの間にか機動隊と大勢の若者達とのぶつかり合いに発展する。今年当局は早期の沈静化に成功し、昨年よりは穏やかなメーデーになったが、しかしそれでも現場に居合わせた記者はビール瓶や石が飛び交う中、機動隊に取り押さえられる若者達を目の当たりにし危険を感じた。

5月1日のベルリンの暴動は毎年恒例になっており、1999年にはメーデーに路上でライブをしていたベルリン出身のハードコアテクノバンド、アタリ・ティーンエイジ・ライオットが歌の内容等で暴動を扇動したとして逮捕されている。

記者:須久和