リアルな立体映像を楽しめる3Dテレビは、家電メーカーのみならず、一般の人でも注目している商品だろう。そんな3Dテレビで今もっとも熱いメーカーといえば、パナソニックとソニーだ。パナソニックは3Dテレビ「3D VIERA」のプロモーションとして、イメージキャラクターにプロゴルファーの石川遼選手を起用し、早くから体験イベントを開催した。さらに当初予定していた発売日の2日前倒しで「3D VIERA」を販売したところ、予想以上の売り上げを記録し販売目標を2倍に引き上げた。

一方、ソニーは3Dテレビ「3D BRAVIA」を2010年6月10日より順次発売する予定だ。後発となるわけだが、2010年度の日本市場における3Dテレビの販売でナンバーワンポジションを目指すとしている。

両社の3Dテレビは、いずれもフレームシーケンシャル方式で3D専用メガネを使用するものであり、素人目には違いがわかりづらいのだが、それぞれの3Dテレビには独自の技術が盛り込まれている。そこで、両社の3Dテレビの違いを簡単にまとめてみた。

パナソニックの3Dテレビの特長は、何と言っても二重像低減技術だ。3Dテレビは左眼用と右眼用の映像を交互に表示しているが、ディスプレイの応答が遅いと、左眼用と右眼用の映像の重なり(二重像)が発生してしまう。同社は、高速応答表示の特性を持つプラズマディスプレイの特長を活かし、短残光の新「高密度蛍光体」や新発光制御により、二重像を抑えたクリアな映像を実現した。

ソニーの3Dテレビは、4倍速技術と3D変換機能が特長と言えるだろう。通常、3D映像を表示するときは、左眼用と右眼用の映像をそれぞれ1秒間に60コマずつ(計120コマ)表示するが、3D映像特有の二重像が発生しやすい。「3D BRAVIA」では、独自の4倍速技術を応用し、左右の映像を2倍の120コマ(計240コマ)に増やすことで、二重像を低減している。加えて、リモコンの3Dボタンを押すと、3Dで撮影されていない映像を3D映像※に変換してくれるのだ。※映像によって3D効果に差があり、感じ方にも個人差がある。また、3D専用に撮影された映像ほどの効果はない。

3Dテレビは、同じフレームシーケンシャル方式を採用していても、メーカーごとに異なる独自の技術が盛り込まれている。購入時には、インターネットやカタログで製品を調べたり、お店のスタッフに聞いたりすると良いだろう。