ホリエモンこと、堀江貴文氏は食通として知られており、自身の発案によって誕生した地方活性型エンタメパン屋「小麦の奴隷」は、フランチャイズを含め全国に店舗展開している。

その運営元の「株式会社こむぎの」が2026年7月中旬にまた新ブランドの店舗をオープンしていた。それは無類のそば好きとして知られているという、堀江氏が1年以上にわたって構想したそば屋である。

お店のプロジェクトには「sio」で知られる鳥羽周作シェフも参画し、メニュー開発にも携わったのだとか。実際にお店を利用してその味をたしかめてきた。

・近くに万福屋

お店は神奈川県横浜市都筑区の商業施設「港北みなも」にある。そういえば、最近この辺に来る機会が多いな。ロピア系の外食企業「イートピア」が運営する、夏季限定のうなぎ食べ放題「万福屋」もこの近く。

どちらの店舗も、最寄は横浜地下鉄のセンター北駅。同じくイートピア「ギュウトピア」もすぐ近くなんだよなあ。

私は比較的に新業態や新店舗を訪ねる機会が多いのだが、どこも都内に1号店を構えることが少なくなったように思う。家賃相場が高いからなのか、または集客の兼ね合いがあるのか、とにかく郊外は店舗展開を始めるブランドが以前よりも増えたのは気のせいではないはず。


・十割と思えぬ歯ごたえ

施設に入ると中ほどに目的のお店発見。ここがこむぎのの新店舗「十割そば たもつ」である。意外と店構えは普通というか、派手さや突飛なものは感じられない。

パン屋で「小麦の奴隷」だから「そば粉の奴隷」でも驚きはしなかったんだけどね……。


席についてメニューを見る。7月1日よりプレオープン、同月18日よりグランドオープンしているから、おおむね1カ月が経過したところだ。昼時には8割方席が埋まっており、お店は定着した感がある。

夏季限定メニューは「鱧天と鰻天 冷やしすだち蕎麦」「薬膳火鍋カレーせいろ」。さすが鳥羽シェフが関わっているだけあって、限定メニューには手の込んだ品を用意している。


ちなみに「本日のおそば」は栃木県真岡市産の「キタワセ」とのこと。

「本日」ということは日替わり? いや、まさかな。「夏新そば」とあるので、夏季はこれを提供するということだろう。だが、こだわりの強い堀江氏のやることだから、日替わりもやぶさかではないかも……。


レギュラーメニューを見ると、もっとも安い「もりそば」は税込750円


温かい「かけそば」は850円となっている。うなぎのメニューを除けば、だいたい1500円台で収まるメニュー構成。高すぎず、安すぎない絶妙な価格設定ではないだろうか。


ただし、そばの並盛りは190グラムで、2倍盛りが380グラムで+税込300円、3倍盛りが570グラムで+税込600円。190グラムだと少し食べ足りないくらいなので、増量分で客単価を上げる狙いがあるのかも。


さて、注文したのはミニ海老天重ともりそばのセット(税込1600円)である。そばは並盛りで足りない分を天重で補おうと思ったからだ。天ぷらの味も知りたいしね。


十割そばとは、小麦粉などのつなぎを使わずに、そば粉と水だけで打ったそばのことをいう。一般的には、つなぎを使うそばよりも製麺の難しさがあるとされる。

その十割をもっと気軽に食べられることを目指して、お店をつくったのだとか。つまりこのそばには、そのこだわりが詰まっている。


実際提供は早く、天ぷらがあるのに待った気がしなかった。セットに天重はミニサイズながらも海老天が2本もついていて、ちょっと嬉しい。


早速そばをすすると、しっかりした歯ごたえに驚いた。十割そばは香りは高いけど、切れやすいと想像していた。プツプツと歯切れるものだと思ったらカンタンに切れない。乱切りの細麺なのに中太麺のような噛み心地、半ばうどんのようなコシすら感じる。

すすり応えもあって喉越しも良い。メニュー開発に1年を費やしたのも納得である。


天ぷらはいずれもカラリと上がっており、衣と天つゆが素材の味を引き立てる。


個人的にポイントが高かったのは、海老天よりも紅生姜天である。まさか天重に紅生姜を忍ばせているとは!? こういう小さなところに、堀江氏と鳥羽氏のこだわりを感じられる。実は付け合わせの柴漬けもとても美味しかった。ささやかなアクセントを怠らないところに、彼らの食通ぶりがうかがえる。


最後はそば湯でシメ。今どきはそば屋でもそば湯を出さないお店もある。これを欠かさない点もポイントが高い。

小麦の奴隷で全国的にパン屋を広げた、こむぎの。そのノウハウを活かして、そば業界にも新しい風を吹かせることになりそうだ。気軽に十割そばを食べられるようになる日は近い。


・今回訪問した店舗の情報

店名 十割そば たもつ
住所 神奈川県横浜市都筑区中川中央2-7-1 港北みなも1階
時間 11:00~21:00 土曜11:00~22:00 日曜11:00~20:00
定休日 なし(施設に準ずる)

参考リンク:PRTIMES株式会社こむぎの
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24