さる2017年8月12日、米ヴァージニア州シャーロッツビルで行われた白人至上主義者の集会で暴動が発生。死傷者が出る惨事となり、いまだに同国はその余波に揺れている。

そんななか、同集会で行進していた白人至上主義者の身元がSNSで特定されまくる事態となり、仕事をクビになったり、家族に縁を切られる者も出てきていると報道されている。このネット時代、顔が分かれば身元を調べるのは難しくなくなってしまったようだ。

・白人至上主義者の身元がネット上で特定されまくる事態に!

米ニュースサイト『Mashable』によると、米シャーロッツビル暴動事件に嘆く反人種差別主義者が、メディアの動画や画像をもとに、問題の集会に参加した白人至上主義者の身元を割ろうとする動きが広がっているという。

かつて、白人至上主義者の組織KKK(クー・クラックス・クラン)は、頭部全体を覆う三角白頭巾を被り、顔を隠して全身を白装束で固めていた。だが、シャーロッツビルの集会で行進していた人々は、被り物など身に着けずに顔が分かる状態だったため、Twitterなどで、「この男は、○○に住んでいる●●だ!」といった具合に名差しで素性が特定されてしまったのである。

・仕事をクビになったり家族に縁を切られる者も

例えば、Twitterのある投稿では集会の写真をクローズアップした画像に、「カリフォルニア州出身の●●。☓☓のレストラン ■■ で働いているはずだ」といった旨のコメントが添えられている。

そして、この投稿がリツイートされまくり、画像の人物は仕事をクビになってしまったのだとか。その他にも、似たような投稿で集会に参加したことが父親にバレて、親子の縁を切られてしまった者もいるとのこと。

・SNSの在り方に疑問を投げかける声が

Twitterは、「クレジットカード番号や住所、社会保障番号などの個人情報を、本人の許可なしに投稿してはいけない」とのポリシーを掲げている。そのためネットユーザーのなかには、「人種差別には反対だが、勝手にSNSで個人の身元を暴くのはどうだろうか……」といった、SNSの在り方に疑問を投げかける声も挙がっている。

一方で、「素顔で白人至上主義者の集会に参加するぐらいだから、素性を知られてもいいってことだろ!?」といったコメントも見られ、ネットユーザーの間で意見が分かれているようだ。

人種差別問題に加えて個人情報の守秘問題まで浮上し、これから同国は様々な対応に追われることになりそうだ。

参照元:Twitter @YesYoureRacistMashable(英語)
執筆:Nekolas

▼SNSで進む白人至上主義の身元特定の動き