どん底景気の不況真っ盛りの昨今、皆さんお元気ですか? 大手の電気・機械メーカーが続々と海外移転を発表──なんて記事を読むにつけ、オレの会社も明日はどうなるかわからない。こんなとき、手に職でもあったら……と、夜空を眺め、自分の人生を振り返るお父さんも珍しくはないでしょう。

そんなお父さんたちにひとこと。今からでも遅くない! 手に職をつけ、不況に強いフードビジネスで日銭を稼ぎ、落武者狩りを逃れるのじゃ!

そうは言っても、新規開業にはバカにならない元手がかかる。リスクを減らすには初期投資を少なく、維持費も少なく、日銭が稼げる方法が一番。こんなとき参考になるのが、台北市内の書店で発見した「屋台開業マニュアル」の数々……

我が国で「屋台」というと、厳しい法律や条例のせいでとっても敷居の高いビジネスと思われがちだが、台湾では最も簡単に始められる商売のひとつ。書店にはこの手の「虎の巻」がよりどりみどり。ちょっと幸薄い感じのおっさん、おばさんから兄ちゃん姉ちゃんまで、老若男女問わず読み継がれている。

牡蠣オムレツ、麺線、フライなど、夜市で見かける人気屋台メニューのレシピはもちろん、日式弁当開業虎の巻なんてマニアックな本もあり、一日のスケジュールから一人頭の利益率までしっかりと明記されている。

果ては道具や材料の仕入先まで親切に明記されており、文字通りこれ一冊で開業可。さらには屋台ビジネスで大成功した有名屋台店のオーナーインタビューまで掲載されているわけだが、インタビュー対象のオーナーたちが皆揃って、あまり裕福そうでないのはここだけの話。ハイ。何事も表と裏があるということですな。
(取材・文=クーロン黒沢

▼惜しげも無くレシピ公開!でも、実際作るとうまくいかなかったりして

▼普通のレシピ本と違うのは、こうした生々しい表記があること

▼「和風弁当屋開業マニュアル」より

▼朝起きてから仕込み→開店→店じまい迄のタイムテーブル

▼屋台開業に欠かせない道具たち