いま、学校給食でウズラの卵を使うことが減ってしまい、出荷数が大幅に減少したことで「ウズラの卵」のメーカーが苦境に立たされている。
名古屋テレビ「メ~テレ」によると、給食での提供中止により愛知県に本社を構えるメーカーではウズラの卵の在庫が山積。はっきりと需要が戻るという想定が持てず、危機感を募らせているとのことだ。
……ウズラの卵といえば中華料理のスター食材。このまま業界全体が落ち込んでしまったら悲しすぎる。
そこでささやかながらでも支援できないかと、誰しもが一度は夢見た「ウズラの卵だけ中華丼」を作ってみることにした。
・ウズラの卵だけ中華丼
さっそく近所のスーパーでウズラの卵を買い込んできたぞ。材料はこんな感じ。
・白ご飯 丼一杯
・ウズラ卵水煮 たくさん!
【中華あん】(あらかじめ混ぜておく)
・醤油 約大さじ1
・オイスターソース 約大さじ1弱
・みりん 約大さじ1.5
・鶏がらスープの素 約小さじ1
・水 約150ml
・ごま油 適量
【水溶き片栗粉】
・片栗粉 大さじ半分くらい(少量の水で溶いておく)
なお、参考までに分量を記載したが、実際は全て「だいたい」である。いつも使う中華丼のレシピがある方は、その味付けで全く問題ナシ。
フライパンにごま油を熱し、ウズラの卵を炒める。火は通っているので、全体に油の風味が絡まればOK。
中華あんの素を入れて……
煮立ったら、水溶き片栗粉を投入。混ぜつつ煮詰める。
とろんとしてきたら、お好みのところで火を止める。これで「あん」部分は完成。
あとは丼にご飯をついで……
ワァァァァァァァァァ!!!
集合体恐怖症が見たらギリアウト判定しそうな丼が出来上がった。なんかデカ盛りラーメンとかで見たことある、こんなの。
さて、それでは──。
・実食
プリンっとした白身が弾けて出てくる、コクのある濃厚な卵黄……やはりウズラの卵って美味しい。
普段の中華丼ならウズラの卵は貴重品。ペース配分に細大の注意を払わねばならないが、この丼ならそんな気遣いは無用だ。1口に1ウズラ、いや、なんなら「1口2ウズラ」という禁忌すら可能……!!!
正直「でもやっぱり野菜が欲しいな……」みたいになるかと思っていたが、白身と黄身だけで食感や風味にコントラストがつき、余裕でパクパクいけてしまう。強いてケチをつけるとすれば、野菜の水分がない分「あん」の部分がちょい味濃いめになりがちなくらいか。
それにしても視覚的な安心感が半端ではない。最後らへんはさすがにちょっとクドさが見え隠れしたが、そんなもんはサイドに生野菜でも添えておけば問題なかった。
・気を付けて美味しく食べたいね
やっぱりウズラの卵っていいものだ。
ちなみに、給食からうずらの卵が減ってしまったのは、2024年2月、福岡県の小学1年生の児童が給食で提供されたウズラの卵をのどに詰まらせて亡くなる事故が発生したため。これを受け、各地の小学校で、給食でのウズラの卵の提供を一時的に見合わせる措置が取られている。
中には販売支援を申し出た市もあり、朝食ビュッフェで地元のウズラの卵を使い始めたホテルもある。しかし、依然として苦しい状況が続いており、このままでは『なんとなく減る。なんとなくメニューから外れていく』といった懸念が大変大きいという。
非常に痛ましい事故だ。再発防止に努めてほしいし、我々も他人事と思わず気をつけねばならないと思う。
だけど、ウズラの卵を給食から排除して、それで解決した気になっていては危険だと思うのだ。それで生産者が不利益を被るのもあまりに理不尽だし、問題の本質から目を背けてしまうことになりかねない。
もちろんこれは一時的な措置とのことだから、事故から半年経った今は通常メニューに戻っている小学校もあるだろう。今後も食育に力を入れるなど、根本的な対策が取られていくことを期待したい。
最後に読者の皆様へお願い。メチャクチャ美味しいこの丼だが、実際に試す場合は頼むから絶対に、絶対に 少しずつよ〜く噛んでゆっくり食べてほしい。筆者も今後いっそう気をつけてよく噛みつつ、末長くウズラの卵を楽しもうと思う。だってとっても美味しいもんね!
参考リンク:NHKニュース、名古屋テレビ「メ~テレ」
執筆:砂付近
Photo:Rocketnews24.
▼ウズラの卵、ちょっと買いすぎてしまったので、使わなかった分をめんつゆに一晩漬けてみた。
成城石井で売ってるおつまみみたいなやつができました。簡単だし美味しい。現実的に試すならこっちのほうが手軽かも。